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オーストリアのクルツ首相は公金の違法な支出をめぐる疑惑で与野党から退任を求める声が強まったことを受けて、首相を辞任する意向を明らかにしました。

オーストリアの検察当局は2016年から2018年にかけてクルツ氏に有利になるよう操作された世論調査がメディアに掲載され財務省の資金がメディア側に支払われたなどとして捜査を開始し、クルツ首相は公金の違法な支出に関与した疑惑が持たれています。

今月に入って首相府や財務省などが捜索を受け、野党や連立政権を組む政党からも退任を求める声が強まるなか、クルツ首相は9日、声明を発表し「混乱を避け安定を確保するため」として首相を辞任する意向を明らかにしました。

一方で疑惑への関与については否定しました。

クルツ首相は中道右派の「国民党」の党首にはとどまる考えを示し、次期首相には現在、外相を務めるシャレンベルク氏を推すとしています。

クルツ首相は4年前、史上最年少の31歳で首相に就任しました。

おととし、議会で内閣の不信任決議案が可決されいったん辞任しましたが、その後の選挙で「国民党」を第1党に導き、去年から2度目の政権を率いています。