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CPUコアあたりのコストパフォーマンスに優れ、近年CGプロダクションにおけるシェアを拡大するAMD Ryzenシリーズ。国内BTOメーカーでも抜群の安定性・サポート力を誇るエプソンダイレクトのEndeavor シリーズにもついにAMD CPU搭載モデルが登場した。そこで今回は、高い技術力を武器にアニメ・ゲーム・遊技機と幅広いジャンルのCGを手がけるexsaに、同機のパフォーマンスや安定性を検証してもらった。

TEXT_神山大輝(NINE GATES STUDIO)
EDIT_山田桃子 / Momoko Yamada

「PCスペック依存のロスタイムは極力排したい」
―exsaの語る機材投資の理由


  • コカー ジェローム氏(ゲーム・ツールプログラマー)


  • 齋藤文仁氏(常務取締役)


  • 名倉真護氏(システム担当)


  • 山口一夫氏(CGディレクター)

exsaはTVアニメやゲーム開発におけるキャラクターモデリングやアニメーション、エフェクト制作などを得意とする国内有数の3DCGおよび映像制作会社だ。東京本社のほかに名古屋・福岡支社、札幌・神戸スタジオの5拠点が存在し、およそ160名のスタッフがクリエイティブ業務に従事しているが、使用PCやライセンス周りのシステム運用管理は東京本社が一括して行なっている。「以前は必要になったタイミングでPCを購入していましたが、会社の成長に合わせて機材選定の基準も変化しており、ここ3年では新卒採用に合わせて20~30台ほど一括購入を行なっています」(名倉真護氏)。一括購入することでトラブル対応がスムーズになるだけでなく、社員全体のPCスペックがある程度揃うというメリットがある。同社常務取締役・齋藤文仁氏によれば、同社では「個人の能力に関係のない、機材由来の時間のロスをいかに減らすか」を第一に考えており、職位に関わらず一定以上のスペックが担保されている。「CPUも重要ですが、特に優先しているのはGPUです。近年ではゲームエンジンを用いる案件も増加しており、ほかのツールもGPU性能によって作業効率が大きく変わるものが増えているため、今はGeForce RTX 3070以上を選ぶようにしています。PCスペックによる作業効率の低下は人間の努力ではどうにもならないので、確実にロスになる部分をどこまで削れるか? を考えつつ、機材投資をしています(齋藤氏)」。2021年11月現在では、CPUは最低8コア/16スレッドが目安となっており、メモリは64GBが基準。予算の目安は30万~40万円で、年度ごとにコストパフォーマンスを勘案しながら可能な限り高いスペックをまとめて購入するながれになっている。

また、近年ではツールも多角化し、案件によってはメインのDCCツールから素材作成に関するソフトウェアまでクライアントに指定されるケースも多い。「いまはツールによって仕事を選ぶ時代ではないので、案件に合わせてあらゆるツールを使い分けています。その状況にアジャストする必要があるため、どんなツールを使う際も一定以上の水準で業務が行えるようなスペック構成にしています。これも機材投資の理由のひとつです」(齋藤氏)。

同コスト帯での性能差を見ればAMD CPUは”強力な選択肢”になり得る

実際に「Endeavor Pro9050a」で作業をした印象について、ジェローム氏は”非常に快適に作業ができた”とふり返る。「アプリケーションを大量に開いて作業を行うのが私の作業スタイルです。MayaUnityのプロジェクトを3つ開いたり、他のツールを同時に起ち上げてデータのやり取りをしたり……。アプリケーションの切り替えのラグはストレスになりますが、Endeavor Pro9050aは自分のマシンと比較しても動作が極めて速かったのが印象的でした。DIMM規格のRAMの影響もあると思いますが、やはりAMD CPUの影響が大きいのだろうと思います」(ジェローム氏)。GPU性能が向上したことにより、大量のモブが生成された際のフレームレートも安定したという。また、3DCGディレクター山口一夫氏も「Houdiniなどの要求スペックが高いDCCツールも、Endeavorでは非常に高いパフォーマンスが出ていました。GPUの性能差もありますが、CPUとメモリだけでこれだけ差が出るんだというのは驚きました」とコメントしている。

実は、同社ではこれまでAMD CPUを業務用PCに採用したことはない。約20年前はメーカーの異なるCPU/GPUを用いた場合レンダリング結果が変わってしまうケースなどもあったため、当時の印象が残ったまま今まで敬遠し続けていたという。しかし、今回の検証はAMD CPUの実力を改めて認識し直す良いきっかけになったと齋藤氏は語っている。高い安定性を誇り、これまで大手ゲームメーカーを中心に支持の多かったエプソンダイレクトのEndeavorシリーズ。AMD Ryzenシリーズが選べるEndeavor Pro9050aの登場により、より低コストでさらに高いパフォーマンスが期待できるようになった。なお、現在、読者限定の割引キャンペーンも実施中とのことだ。法人向けに希望スペックでの機材の貸し出しを行なっているのでこれを機に検討してみてほしい。

検証機材・検証テーマについて

検証はTVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』で実際に用いられたUnityベースの群衆ツールを用いて行われた。大量のキャラクターを自動生成する同ツールの開発を担当したのはゲーム・ツールプログラマー コカージェローム氏。群衆ツールは背景で戦っているモブ(兵士)を大量に生成・配置し、体型にランダム性を持たせた上で一定のルールに則ってアニメーションを行う内容となっており、CPU、GPU共に負荷検証として最適だという。




  • TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』
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    kumo-anime.com

今回検証に用いたのは下記のモデルA~C。exsaが3年前に導入したモデル(A)、直近で購入したモデル(B)、そしてエプソンダイレクトが9月に発売を開始した、AMD CPU搭載のEndeavor Pro9050a(C)の3つだ。


検証モデルA
exsa 3年前導入モデル

  • CPU
  • Intel Xeon W 2225 4コア/8スレッド
  • GPU
  • NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER 8GB
  • メモリ
  • DDR4 64GB(PC4-3200)
  • ストレージ(OS)
  • PCIe3.0x4 NVMe M.2 SSD 500GB


検証モデルB
exsa 最新導入モデル

  • CPU
  • Intel Xeon W 1270P 8コア/16スレッド
  • GPU
  • NVIDIA GeForce RTX 3070 8GB
  • メモリ
  • DDR4 64GB
  • ストレージ(OS)
  • PCIe3.0x4 NVMe M.2 SSD 500GB


検証モデルC
Endeavor Pro9050a (2021年9月発売)

  • CPU
  • AMD Ryzen 9 5950X 16コア/32スレッド
  • GPU
  • NVIDIA GeForce RTX 3090 24GB
  • メモリ
  • DDR4 64GB
  • ストレージ(OS)
  • PCIe4.0x4 NVMe M.2 SSD 2TB


※Endeavor Pro9050aはAMD Ryzen 5、7、9が選択可能

検証1 Unityによるプレビューレンダリング

プレビューレンダリングの結果はGPU性能の差がリニアの数値に表れている。群衆の数が100体の場合はRTX 2080 SUPER搭載の(A)が60ms、RTX 3070搭載の(B)が33ms、RTX 3090搭載の(C)が30msと、スペックを反映した結果を示している。250体、500体、1,000体と群衆の数が増えていった場合も実時間の比率は大きく変わらず、いずれもCが最も高速となっていたが、2000番台の中でも上位モデルに位置するRTX2080 SUPERと比較してRTX 3090が約2倍の結果となっていたのは印象的だ。また、GPU高性能化はUnityのリアルタイムプレビューにおけるフレームレートの安定性にも大きく関わっており、(A)と比較すると(C)は2~3倍程度のfps値になっていた。これにより、キャラクターを吹き飛ばすなどの物理演算が絡むシーンの動画をUnity Recorderで撮影する際も、カクつきなどがない状態で出力できていたという。



検証2 Pencil+ レンダリング

群衆モデルのアウトラインには、3Dオブジェクトに対して手描きに近いラインを描画することが可能なプラグイン「PSOFT Pencil+ Line for Unity」が用いられている。キャラクターの配置やランダム配置の際に重ならないようにするための計算などはCPU負荷、キャラクター描画はGPU負荷となるが、アウトラインについてはCPU負荷が特に高いとのこと。100体時点では(A)が1,800ms、(B)が880ms、(C)が600msと性能順の結果になっている。500体を超えるとモデルごとの性能差の際は縮まっているが、ここでも16コア/32スレッドのRyzen 9 5950Xのパフォーマンスの良さが際立つ結果となった。



エプソンダイレクトによる優れたサポート日本品質・国内メーカーだからできること


サポートの質は仕事のクオリティに直結する部分であるため、エプソンダイレクトは「6年保守」や「訪問修理」、外的要因による故障をサポートする「安心プラス保証」など数多くのサービスを展開。企業ごとのサポートサイトを立ち上げるなど、カスタマーに応じて最適なサポートをアレンジして提供可能なほか、デモ用として検証機の貸出も受け付けている。「やはり、国内メーカーなのは大きい。DCCツールや他の機材にも通じますが、つくっている企業がはっきりしていて、責任の所在・保証の確実性が見えている状態は企業として大きな安心感があります」(齋藤氏)。

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問い合わせ情報
エプソンダイレクト株式会社
TEL:0120-545-101
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