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「一途をたどる」とは、ビジネスシーンで使われることが多い言葉ですが、途中で様子が変わることなく、一定の方向に変化が進行し続ける様子を指します。「一途をたどる」という表現が使われる場合、「悪化」とセットで使われることが多く、ネガティブな意味として用いられます。ここでは、「一途をたどる」の正しい使い方や例文について紹介していきます。

【目次】
・「一途をたどる」の意味とは?
・「一途をたどる」の類語には、どのような言葉がある?
・「一途をたどる」は仏教用語から
・「一途をたどる」の対義語には、どのような言葉がある?
・「一途をたどる」の使い方
・「一途をたどる」は書き言葉?
・「一途をたどる」の英語表現はある?
・最後に

「一途をたどる」の意味とは?

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「一途(いっと)をたどる」とは、途中で様子が変わることなく、一定の方向に変化が進行し続ける様子を表す表現です。

たとえば「減少の一途をたどる」だと、ひたすら減少し続けている場合。途中で一度でも増加傾向が見られた場合には、「一途をたどる」とは言いません。

「一途をたどる」という表現が使われる場合、多くはネガティブな意味として用いられます。「新型コロナウイルス感染症の感染者数が、増加の一途をたどる」「我が社の経営状況は、ここ数年、悪化の一途をたどっている」などのように使うのです。

「一途をたどる」の類語には、どのような言葉がある?

1:激化する一方

状況がひどくなっていくという意味では、「激化する一方」と言うことができます。「新型コロナウイルスの猛威は、激化する一方」といえば、感染者数が、どんどん増えている状況が想像できますね。

2:とどまるところがない

一定の方向に進み続ける様子から、「とどまるところがない」という表現も、「一途をたどる」に似た表現といえます。「我が社の経営の悪化は、とどまるところがない」は、どんどん悪くなっていることがわかりますね。

3:ひたすら

「ひたすら増加している」「ひたすら悪化している」といえば、増え続けている、どんどん悪くなっていることがわかりますね。この「ひたすら」も、「一途をたどる」の類義語といえるでしょう。

「一途をたどる」は仏教用語から

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「一途をたどる」という表現は、「ひたすら」という言葉に置き換えられると説明しました。この「一途をたどる」の「一途」は、もともと仏教用語です。「一途」とは、悟りを求めるための唯一の方法という意味で、ひたすら修行を続けることを表しているのです。

もともとは、僧侶が修行に励むことだった「一途」ですが、時代が進むにつれ、僧侶以外にも使われるようになります。近年では「一途」というと、恋愛において、一人の人だけを愛し続けることに使われることが多いですね。ひたすら愛し続けるさまが、僧侶の修行のさまに似ているのかもしれません。

ちなみに、「一途をたどる」というときには、「一途(いっと)」と読みますが、「一途」のみの場合は、「一途(いちず)」と読みます。仏教においても、「いちず」です。注意しましょう。

「一途をたどる」の対義語には、どのような言葉がある?

では、「一途をたどる」の反対の意味の言葉には、どんなものがあると思いますか?

1:迷走する

ひたすら進むことが「一途をたどる」なら、迷いながら進む「迷走」は対義語となります。「一途をたどる」もネガティブなシーンで使う言葉ですが、「迷走する」も同様。褒め言葉には使われません。

2:膠着(こうちゃく)する

進行を続けることが「一途をたどる」なら、止まってしまうこと、すなわち「膠着する」は対義語です。「膠着する」という表現は、良い動きが滞る時に用いられます。「国際情勢が、あの事件をきっかけに膠着状態に陥った」といえば、それまで良好だった国際情勢が、一つの事件をきっかけに止まってしまったことを示しています。

3:難航する

「難航する」とは、障がいがたくさんあって、物事がうまく進行しない状態をいいます。好ましくない状態であることは同じなのですが、ひたすら悪い方向だけに進んでいるわけではなく、少しはうまくいく場面もあるのが難航です。

「一途をたどる」の使い方

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「一途をたどる」の意味と由来、類義語、対義語を説明しました。意味がしっかりつかめたところで、自分でも使いこなせるように用例を考えてみましょう。例をあげてみますね。

1:彼との関係は、悪化の一途をたどった

ある男性との関係について述べています。「悪化の一途をたどった」のですから、一度もよくなることなく、両者の関係は決裂してしまったのでしょう。

2:我が国の財政は、悪化の一途をたどっている

「一途をたどる」という言葉は、「悪化」とセットで使われることが多いことを覚えておきましょう。また、「一途をたどる」という表現は、人間関係のみならず、物の状態でも使うことができます。

「たどった」と過去形にすれば、そのままで終わったことが表現できますし、「たどっている」と現在進行形にすれば、今、まさに悪化の最中ということを示すことができます。

3:祖母の体力は、衰退の一途をたどっている

悪化とともに、「一途をたどる」とセットで使われることが多い言葉が、「衰退」「減少」です。減ること、弱ることはネガティブなことの代表ですから当然ではありますが、こちらも覚えておくといいですね。

4:暴動に参加する人の数は、増加の一途をたどっている

「衰退」「減少」がセットで使われることが多いと述べましたが、慣用句のように覚えてしまうのは危険です。「一途をたどる」がよく使われるのは、その状況が好ましくない場合ですから、「増加」するのが好ましくないのであれば、「増加の一途をたどる」といってもいいのです。「一途をたどる」という表現は、文脈をよく考えて使うようにしましょう。

「一途をたどる」は書き言葉?

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「一途をたどる」という表現を、日常生活で使ったことがないという人もいるかもしれませんが、この表現は、特に改まった表現ではありません。

書き言葉としても、話し言葉としても、両方に使うことができます。また、「一途をたどる」といったとしても、「この人は難しい言葉を使うなぁ」と思われることはあまりないので、自信を持って使っても大丈夫です!

「一途をたどる」の英語表現はある?

「一途をたどる」は、何かが進行し続けることですから、英語だと「to continue to ○○」などということが多いでしょう。

「悪化の一途をたどる」だと「to continue to get worse」、「衰退の一途をたどる」だと「to continue to decline」となりますね。

もっと簡単な表現では「go on 〜ing」「keep(on)〜ing」も使えます。「増加の一途をたどる」であれば「go on increasing」、あるいは「keep increasing」となります。

ただ、英語だと「〜し続ける」という状態は分かるのですが、ネガティブなニュアンスはありません。そのあたりは、文脈で判断することが大切です。

最後に

「一途をたどる」という表現を、使うことができるようになりましたか? 日常、特にビジネスのシーンなどでは、よく使われる言葉です。知っておくといいですよ!

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