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 京都府亀岡市は10日、米モデルナ社製新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を終えていた市内在住の男性(25)に、誤って米ファイザー社製のワクチンを接種したと発表した。男性は職域接種でモデルナ製を接種後、退職。モデルナ製を使っている集団接種などで2回目をしようとしたが、断られてできなかったという。

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 市によると、男性は7月初旬、職場の職域接種でモデルナ製の1回目のワクチンを受けた。2回目の前に退職したため、2回目のみを接種できないか、自衛隊の大規模接種センターや府に問い合わせたが断られ、見かねた男性の母親が接種したことを伏せ、ファイザー製を使用する医療機関の個別接種を予約。職域接種の際には接種券が届いておらず、なくても制度上、接種できたため、接種券は未使用だった。

 男性は9月9日、未使用の接種券を持参し、医療機関に「1回目です」と伝えてファイザー製を接種。次回の予約もして帰宅したが「計3回接種することになる」と不安になり、医療機関に申告。10日現在で体調に異常はなく「1回目から2カ月ほど経過し、既に効力がないと思った」と説明しているという。

 異なるワクチンを組み合わせる「混合(交差)接種」は日本では認められていない。市は今回の事例を受け、各医療機関に何回目の接種かを受付時に確認するなど再発防止策を指導した。府ワクチン接種対策室は「職域接種は対象者が退職しても、2回目の接種まで職場が責任を持つ。自己判断で異なるワクチンを接種するのは避けてほしい」と話した。【添島香苗】