7月上旬に中国で暗号通貨のマイニングが禁止された後、ビットコインネットワークのコンピュートパフォーマンス(1秒間の総テラハッシュ数の推定値)がほぼ回復したと、ブルームバーグが報じています。
この回復は、中国のマイニングファームが他国に移転したことと、米国などに新たなファームが展開されたことによるところが大きいとのことです。
Blockchain.comのデータによると、テラハッシュ・パー・セカンド(TH/s)の累積数は、5月14日に約1億8,066万TH/sでピークに達しましたが、中国当局が国内での暗号通貨マイニングを禁止したため、7月4日には8,600万TH/sまで落ち込みました。
しかし今週、世界のビットコインのハッシュレートは1億7588万TH/sに戻っており、ネットワークのマイニング能力がほぼ回復したことになります。
ケンブリッジ・センター・フォー・オルタナティブ・ファイナンスが発表した数字によると、中国は2021年5月時点で世界のビットコインのハッシュレートの約44%を占めていたため、中国がゲームから抜け出すと、ビットコインネットワークのコンピュートパワーは厳しく低下しました。
しかし、暗号通貨ファームはすぐに中国から近隣の国、すなわちカザフスタンやロシア、さらには海外の米国に設備を移し始めました。その結果、8月時点でビットコインのマイニング国としては、カザフスタン、ロシアに続いて米国が世界トップとなりました。
ビットコインのマイニングファームは、十分なスペースとインターネット接続環境、安定した電力(できればコイル燃料発電所による安価な電力)の供給があれば、運営者は比較的容易に導入することができます。そのため、ビットコインのネットワークが半年足らずで計算能力を回復したのも不思議ではありません。
ブルームバーグによると、BTIG LLCのレポートには、「オフラインを避けるために複数の冗長性を必要とする従来のデータセンターとは異なり、ビットコインマイニングデータセンターの最大の利点は、その柔軟性とグリッドへのプラグの抜き差しのしやすさにあります。
これにより、暗号マイニングは、需要が弱い時期にシャットダウンするのを避けたい原子力および再生可能エネルギー施設の電力負荷バランサーとなります」と伝えられています。