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「『観測史上最高の海面水温』が早ければ10年後には2年に1度の頻度で起きるようになる」。

今回のIPCCの報告書が使用しているシナリオに基づいた日本周辺の海面水温の予測結果です。

専門家は「パリ協定の目標を達成したとしても台風や大雨のリスクがさらに高まっていく」として警鐘を鳴らしています。

国立環境研究所の林未知也特別研究員などの研究グループは、IPCCが今回の報告書に用いている、温室効果ガスの排出シナリオなどに基づき日本周辺の海面水温が近い将来どう変化するか詳しく解析しました。

この30年、日本周辺の平均の海面水温は上昇が続き、去年8月には、広い範囲で30度前後に達し、統計を取り始めてから最も高くなりました。

研究チームが将来の海面水温のシミュレーション結果を解析したところ、去年8月を超えるような海面水温は今から10年後から30年後の2031年から2050年ごろには2年に1度以上の頻度で起きるようになることがわかりました。

このような水温は、産業革命以後、人間の活動によって温室効果ガスなどが増えることがなければ1000年に1度以下の頻度でしか起きなかったみられるということです。

8月平均の海面水温を予測した画面では、日本周辺の海面水温が広い範囲で29度や30度になっていくようすが確認できます。

林特別研究員によりますと、こうした海面水温の上昇は、「パリ協定」で目標としている、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑えることを達成したとしても、避けられない可能性が高いということです。

林特別研究員は「海面水温が高くなると、台風が勢力を落とさずに日本に接近や上陸をするリスクが高まるほか、漁業などにも影響を与える可能性がある」と指摘しています。