ここでは読者人気の高い家電カテゴリを取り上げ、“いま購入時に押さえておきたい“キーワード”とともに、製品それぞれの魅力を明らかにしていく。今回は「テレビ」を紹介!
※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
<テレビ>
Trend Keyword《48インチOLED》
比較的価格が手ごろになってきたことで、高画質のOLED(有機EL)テレビの人気が高まりつつある。なかでも、扱いやすいサイズで設置の自由度が高い48V型モデルは最近のトレンドのひとつ。個室用のサブテレビとしても最適な48インチOLEDをプロが評価した。
私がチェックしました!
AIを利用するエンジンで上位機種に劣らぬ画質を実現
OLED(有機EL)テレビは、液晶テレビに比べてコントラストの高さ、薄さ・軽さなどの点で有利。以前は大画面モデルが中心のため日本での普及は遅れがちだったが、昨年夏に登場した48V型の製品は、“ちょうどいい”大きさとして人気を獲得しつつある。
48V型モデルは、多くの製品バリエーションを誇る55V型モデルに比べると、やや割高な印象を受けるかもしれない。しかし、コンパクトであるがゆえに大画面モデルより画素の粗さが目立ちにくく、映像の緻密さ、きめの細かさが際立つ。それにより、階調性やS/N感にも余裕が生まれ、雑味の少ない高純度の映像が描き出されるのだ。55V型以上の大型パネルの製品に比べて、画質面の優位性はかなり高いと言えるだろう。
また、最近のトレンドであるAIを利用した高画質化エンジンは、このクラスでも採用。AIが映像に合わせて最適な画質に調整してくれて、フルHD以下のコンテンツも4Kクオリティで楽しめる。
【その1】映像本来の明暗や色彩を美しく映し出す
パナソニック
ビエラ TH-48JZ1000
実売価格21万1660万円
パナソニックとしては初の48V型有機ELテレビ。独自のパネル制御技術を駆使し、自然な階調性を獲得。メリハリの効いた映像を存分に楽しめる。映像製作者の意図を尊重した「Netflix画質モード」や、観戦の臨場感をアップさせる「スポーツモード」などを搭載。
SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1069×H677×D245mm/約20.0kg
4Kチューナー:2基
HDRフォーマット:4方式(※)
4KVOD:7サービス対応
音声最大出力:30W
※:動画フォーマットのみ
【Impression】
AIによるディープラーニングでシーンに応じた最適な画質調整が可能
膨大な映像から生成されたデータベースをAIが学習し、シーンを自動認識。それぞれのシーンに応じて最適な画質に調整する自動画質調整を施すことで、より明るく、透明感に富んだ映像を描き出す。黒の締まりの良さ、ダイナミックレンジの広さを生かした画作りが特徴。ノイズの粒子が細かく、グラデーションも極めて滑らかだ。
[5点満点で評価]
画質:4.0/5.0
音質:3.5/5.0
操作性:4.0/5.0
ネット機能:4.0/5.0
録画性能:4.5/5.0
【その2】地デジ放送もネット動画も高精細に描写
東芝
レグザ 48X8900K
実売価格20万7900円
最新の映像処理エンジンの搭載により、高速レスポンスをはじめ、精度の高いノイズリダクションや快適な操作性を実現。おまかせ録画機能では、AIがユーザーの好みを学習し、オススメ番組を自動で抽出しレコメンドしてくれる。リモコンを利用した音声操作も可能。
SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1068×H663×D229mm/16.5kg
4Kチューナー:2基
HDRフォーマット:4方式
4KVOD:5サービス対応
音声最大出力:72W
【Impression】
輪郭を不自然に強調せず細部の情報による緻密な画作りが秀逸
パネル表面の反射や映り込みを抑えたハーフグレア処理の有機ELパネルを採用し、黒の締まった落ち着きのある映像を描き出す。また、「レグザエンジンZR I」により、レグザ伝統の高画質技術とAndroid TVの多機能性が融合。高精細映像は、輪郭の強調に頼らず、細部の情報を積極的に掘り起こして調整するという緻密な画作りは健在だ。
[5点満点で評価]
画質:4.5/5.0
音質:3.5/5.0
操作性:4.0/5.0
ネット機能:4.5/5.0
録画性能:4.5/5.0
【その3】人の肉眼視に迫る忠実な色再現で美しい映像を実現
LGエレクトロニクス
OLED 48A1PJA
実売価格21万8900円
AIを統合した映像エンジンが数百万もの映像ソースを学習し、画質と音質を最適化する。操作システムには「webOS」を採用。マジックリモコンを上下左右に振ることで、画面をスクロールさせて多彩なコンテンツを選択できて快適だ。VODは韓流コンテンツも充実。
SPEC●チューナー:4K×1、地デジ/BS/110度CS×2●接続端子:HDMI×3、USB×2、LAN×1●サイズ/質量:W1071×H679×D271mm/15.3kg
4Kチューナー:1基
HDRフォーマット:3方式
4KVOD:5サービス
音声最大出力:20W
【Impression】
穏やかな輪郭・コントラストとナチュラルなサウンドが特徴
輪郭の出し方にしても、コントラストのつけ方にしても、総じて穏やかな仕上がり。ノイズの粒子が細かく、階調性も滑らかだ。ただ、自動画質設定での「スポーツ」モードは原色が強調され、ハイライトの白飛びも目立つのがやや気になる。サウンドはセリフやナレーション、ボーカルなど“声”の明瞭度が高く、楽器の響きもナチュラル。
[5点満点で評価]
画質:4.0/5.0
音質:4.0/5.0
操作性:3.5/5.0
ネット機能:4.0/5.0
録画性能:3.5/5.0
【その4】画面から音が出て映像と音が一体化し映画館のような迫力
ソニー
ブラビア KJ-48A9S
実売価格24万2000円
高画質プロセッサー「X1 Ultimate」は、画面内のそれぞれの被写体に応じて最適に高精細化する「オブジェクト型超解像」に対応。より現実に近い質感を再現できる。Android TVを搭載し、映像配信アプリなどを追加できるほか、Googleアシスタントも利用可能だ。
SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×2●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1069×H629×D255mm/17.6kg
4Kチューナー:2基
HDRフォーマット:3方式
4KVOD:7サービス
音声最大出力:25W
【Impression】
鮮やかな色再現と自然な色合いを両立できている
白を伸ばすという高コントラスト調の画作りはいかにもソニーらしい。ほんのりとピンクがかった健康的なフェーストーンも健在だ。色再現も鮮やかな志向だが、派手すぎず、不自然さはない。画面から音を出すことで映像と音の一体感が得られる「アコースティック サーフェス オーディオ」のユニークなサウンドも魅力的だ。
[5点満点で評価]
画質:4.0/5.0
音質:4.5/5.0
操作性:4.0/5.0
ネット機能:4.5/5.0
録画性能:4.0/5.0
●スペックにある「サイズ/質量」はいずれもスタンドを含む数値