この記事はiMacやMac ProでGPUを換装した際に、起動画面が表示されなくなった方や起動できなくなった方向けの記事です。
OpenCore Legacy Patcherを使用するとMacで使用できるVBIOSがフラッシュされていないグラフィックボードを使用してもMacの起動画面を表示することができるようになります。
ちなみに、当方はこの記事を十分に検証できておりません。実践は(いつも通りですが)自己責任でお願いします!
目次
なお、実際にOpenCore Legacy PatcherでmacOS Big Sur やmacOS Montereyをインストールする方法はこちらの記事をご覧ください。
- macOS MontereyがサポートされないMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする【1/3】
- macOS Big Sur非対応機種にOpenCore Legacy Patcherを使ってインストールする(メディア作成編)
SIPを無効にする
では、作業に移りましょう。
今回はblessを行いますので、作業前にあらかじめSIP(System Integrity Protection)を無効にする必要があります。
SIPが有効な場合には、こちらの記事を参考にSIPを無効にしてください。
EFIパーティションをマウントする
続いてEFIパーティション(=ESP)をマウントしていきます。
方法はいくつかありますが、今回はターミナルを用いてマウントしていきます。
ちなみに、マウントするのは起動に使用するOpenCore Legacy PatcherをインストールしたEFIパーティションです。
※もしも他のESPをマウントしている場合にはアンマウントをしておくと思わぬミスを軽減できます。
ターミナルを開き、次の内容を入力し実行します。
diskutil list
表示された内容を確認すると、(下図の場合)TYPE列に「EFI」、NAME列も「EFI」とある、IDENTIFIER列が「disk0s1」と記載されたものが見つかります。(当方の環境では)これをマウントしたいので、
sudo diskutil mount /dev/disk0s1
と入力し、Enterキーを押します。(なお、太字部分は実際にマウントしたい識別子(IDENTIFIER)を入力します。必ずしもdisk0s1ではないです!)
Volume EFI on /dev/disk0s1 mounted と表示されれば無事にマウントされました。
次のステップでは今マウントしたEFIパーティションのボリューム名を使いますので、NAME列のボリューム名を確認しておきましょう。(基本的には「EFI」のはずです。)
Tips! マウントしたいディスクの識別子が分からない時は
上記のように単一のストレージである分にはあまり問題ないかと思いますが、複数のストレージが取り付けられている場合などには識別子(IDENTIFIER)が分かりづらいかもしれません。
また取り付けられているストレージが少なくても、CUIに馴染みがない方では随分なストレスかと思います。
という事で、マウントしたいEFIパーティションをもうちょっと探しやすい方法についてご用意いたしました。
ぜひ!こちらの記事をご覧ください。
blessする
EFIパーティションがマウントできたところで、次のステップに進みましょう。
いよいよ最後のステップです。
下記のコマンドをターミナルに入力して実行します、が、ここも少々環境によっては修正が必要です。
sudo bless --verbose --file /Volumes/VOLNAME/EFI/OC/OpenCore.efi --folder /Volumes/VOLNAME/EFI/OC --setBoot
まずは上のコマンドの「VOLNAME」とある部分は先ほどマウントしたEFIパーティションの名前に置き換えます。
名前の調べ方ですが、例えば、下記の例だと先ほどマウントしたEFIパーティションの名前は「EFI」であると分かります。
kabocy@iMac ~ % diskutil list
/dev/disk0 (internal, physical):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *480.1 GB disk0
1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1
そのため、先ほどの「VOLNAME」の部分を「EFI」と置き換えて実行します。
sudo bless --verbose --file /Volumes/EFI/EFI/OC/OpenCore.efi --folder /Volumes/EFI/EFI/OC --setBoot
この時、Macのパスワードを求められたら入力し、return(Enter)キーを押下します。
大まかな流れは以上となります。再起動をして起動画面が表示されるかどうか確認してみましょう。
ただし、この時、
Could not set boot device property: 0xe00002e2
と表示された場合にはSIPが有効になっているか、その他のエラーにより操作が失敗している可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この作業が完了すると、今まで起動画面が表示できなかったMacでも起動の様子が確認できるようになります。
当方にはこの記事を検証できる環境がないため、是非、結果などについて共有いただけると嬉しいです。
また、この記事は読者のN.M.様より(半)リクエスト頂いた記事です。(「半」っていうのは、ちょっと押し付けた感もあったので…。)
リクエスト頂きましたN.M.様ありがとうございます!
皆様も「このガイドを作成してほしい!」というリクエストがあれば、どうぞお気軽にお寄せください。(ただし、必ず記事になるわけではありません。詳細はこちらから!)
では、引き続き楽しいMacライフを!
2021.12.11 ESPの識別子の調べ方へのリンクを追記しました。