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このメルセデスW124はキャンピングカーとして使用できる。

このEクラスはどこか特別なものだ。ビンツ(ドイツのリューゲン島で最大の海辺のリゾート)からやってきたシリーズW124の90馬力のメルセデス250Dは、モーターホームとしても使用することができる!売り手によると、この車は今も最高の状態だそうだ。

「W124」は、ベンツの良さを表現し、日常生活のどこにでもフィットすることから、メルセデスファンに今でも愛されている。
タクシードライバーは、経営者であると同時にセダンを運転することを楽しんでいた。
映画スターはコンバーチブルに乗っていた。
今日でも、エステートはバスのように荷物を積むことができる。
また、個性的なスポーツカーが好きな人たちは、ポルシェの協力を得て開発された「500E」に憧れていた。

しかし、「W124」はモーターホームとしても適しているのだろうか?
なぜこのような質問をするのかって?
そのモーターホームとして使える特別な「Eクラス」が、現在eBayで、8,650ユーロ(約112万円)で出品されているのだ。
それは「メルセデス250Dビンツ」で、おそらく元は救急車だったと思われる。
その後、この車はレストアされ、オートバイを輸送するために改造されたが、キャンピングカーとしても使用できるようになっているのだ。

広告の写真には、ダメージや使用感のないきれいな車が写っている。

「メルセデス250D」は、情報によれば一級品の状態だという。
広告に掲載されている写真には、ブルーの特別なベンツが写っており、少なくとも良好な状態であるようには見える。
特筆すべき使用感やダメージはなく、すべてがきれいに整頓されている。
これはセールスマンの説明にぴったりだ。
彼は広告の冒頭で、このベンツには2023年8月までの車検があり、過去14年間に塗装、レベリング、ジャッキポイントなどすべての作業が行われているという情報を掲載している。

ダッシュボード上のコントロールパネルは、過去に救急車として使用されていたことを示している。

備わった「Hナンバー」は、「Tidy」と「Very Good」の中間のコンディションであることを示している。
「Hナンバー」であれば、都市部の環境ゾーンはどんな走り方をしても大丈夫だ。
1987年に製造された90馬力のディーゼル車にしては、非常に嬉しいことだ。
最後に、売り手はオートバイを運ぶための安定したプラットフォームを絶賛している。
このプラットフォームの一部は取り外して、ベッドに変身させることができるようになっている。
そうして、「250Dビンツ」は初歩的なモーターホームになるのだ。

バイクはここに収まる。あるいは寝ることもできる。

購入に興味のある人は、当然、徹底したチェックをお勧めする。
まずは試乗することから始まる。
そして、売り手と一緒に履歴を確認する。
過去にこの車に何がなされたのか?
それらはいつ行われたのか?
誰がその作業をしたのか、そしてその結果のクオリティはどうなのか。

「W124」の最大の弱点は、サビに弱いことだ。
だから、どんな記述があっても、車検のときには、隅々まで、しっかりと見ておくべきだ。
ジャッキアップポイントは当然、カルトベンツのリアホイールアーチやフロントフェンダーの先端、エンジンルームのスタンディングプレートなどにもサビが生じやすい。
250Dのエンジンそのものは、適切な手入れをすれば壊れることのない、とても丈夫なヤツなので、あまり心配することはないだろう。
このクルマがモーターホームとしてお洒落であるかどうかは議論の余地があるが、「W124」フリークにとってはまたとない希少な個体だろう。
コンディションさえよければ、8,650ユーロ(約112万円)は妥当な値段な掘り出し物ではないだろうか。

この写真を見たときに「これはW124のアンビュランスか、フューネラルコーチ(霊柩車)バージョンなんじゃないかなぁ」、と思ったら案の定、救急車のほうだった。
「メルセデスベンツEクラス」は、ミディアムクラスあるいはコンパクトクラス、と呼ばれた時代から救急車や霊柩車の需要がヨーロッパでは多く、その中でも「W124」は多くの台数が製造されたヒット作?であった。
たしかにスペース的には人が寝るのには十分だし、この記事にも書いてある通り、バイクなどを運ぶのにも適しているだろう。色もなかなか良いし、妙にボヨンボヨンの怪しいクッションが置かれたフロントシートを除けば、まあ程度は良さそうだ。
だが気になるのはその走行距離で、救急車みたいな働く車であれば、50万キロ、いや100万キロ近くを走行している可能性だってあるかもしれない。いくらきれいであったとしても、ちょっとその出自を考えると、勧めがたいのは事実である。
でもこれが、もと救急車でよかった。霊柩車だったら、絶対に僕は買わないし、お気楽にコメントするのもちょっと怖い、なんとも小心者なのである。

Text: Lars Hänsch-Petersen
加筆: 大林晃平
Photo: ebay / hoffnungslaeufer