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Twitter(ツイッター)は現在インドの新しいIT規則に準拠している、米国時間8月10日にインド政府が裁判所に伝えた。米国のソーシャルメディアとその重要海外市場との間に続いていた数カ月にわたる緊張の緩和が期待されている動きだ。

インド政府の代理人を務める弁護士が、Twitterの最近の行動(最高コンプライアンス責任者、ノード担当対応者、および常勤苦情対応責任者の任命)は、同社が新しい規則に準拠していることを「明確に」示すものだと現地の最高裁判所に伝えた。

インドのTwitter広報担当者はテキストメッセージにすぐには返信しなかった。

インドの新IT規則は、2021年2月に発表され、有力ソーシャルメディア企業がこの国における根拠ある懸念に対応する責任者を任命することを義務化した。

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FacebookとGoogle(グーグル)は、この規則が南アジア市場で施行された5月に要件を満たしている

一方Twitterは、インド政府が好ましくないと判断したいくつかのツイートをブロックしなかったことでインド政府から非難されていた。新しい規則に準拠するためにはさらに数カ月が必要であると要求し、その間は必要とされた役割に一時的スタッフを充てた。

数カ月の間に両社間の緊張は高まった。Twitterは2021年5月、与党BJP(インド人民党)の広報官Sambit Patra(サンビット・パトラ)氏のツイートを「操作されたメディア」とラベル付けした。数日後、テロその他の犯罪を捜査していたインド警察は、パトラ氏のツイートが操作されている判定したTwitterの論拠に関する情報を調べるために、同国の2カ所のTwitter事務所を不意に訪れた

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当時Twitterは「インドの当社従業員におきた最近の事象および当社がサービスを提供している人々の表現の自由に対する脅威の可能性を懸念している」と語った。

同社の新IT規則に対する遅々とした動きは、同国における免責措置の喪失という結果を招いたインド政府は語った。また政府はTwitterに対し、同社が新法を「完全に無視」していると警告した。

インターネットサービス会社は、テック・プラットフォームはユーザーが投稿したりオンラインでシェアした内容に責任を問われない、とするいわゆる「セーフハーバー」ルールの恩恵に預かっている。

Twitterはインドの何人かの閣僚からも公に批判を受けた。

「どんなメディアプラットフォームもインドでビジネスを行うことを歓迎します。相手がRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)であれ、私たちの首相であれ、他の誰であれ非難することは可能です。問題はソーシャルメディアの誤った使い方です。中には私たちが米国法に縛られているという人もいます。インドで事業を行い、結構な稼ぎを得ながら、米国法に支配された立場をとる。これはどう考えても受け入れられません」と、2021年7月に辞任するまでインドのIT大臣だったプラサッド氏が7月のバーチャル会議で語った。

新しい規則では、暗号化されたメッセージングサービスを運用する大手ソーシャルメディアは、特別な場合にはメッセージの発信元を追跡できる方法を考案することも要求されている。Facebook傘下のWhatsApp(ワッツアップ)やSignal(シグナル)をはじめとする何社からはこの要求を満たしていない。WhatsAppはこの要求を巡ってインド政府を訴訟した

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterインドSNSソーシャルメディア

画像クレジット:Nina Riggio / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook