Microsoftが先日一般提供を開始した「Windows 11」はスタートメニューやタスクバーなどUIの刷新が注目を集めています。しかし、それはあくまでも一般ユーザーにとっての話で、ハッカーや開発者ならばWindows 11の別の側面に注目すべきかもしれません。
Ars Technicaは「The best part of Windows 11 is a revamped Windows Subsystem for Linux」と題した記事を、公開し、Windows 11の注目の新機能は進化した「Windows Subsystem for Linux(WSL)」だと主張しています。
Windwos 10でもWSLは便利な機能でしたが、インストールが面倒だったり、GUIアプリケーションが動作しなかったりという制限が存在しました。Windows 11に搭載されたWSLではこれらの問題が、完璧ではないまでも、大幅に改善しているとのことです。
まず、インストールに関しては、Windows 10 Version 2004移行で利用可能になった「wsl –install」コマンドが引き続き利用可能で、WSLがワンコマンドでセットアップ可能となっています。Hyper-Vを初めとしたWSLの基板とともにUbuntuの最新バージョンのインストールができ、Ubuntu以外を使用したい場合、「wsl –list –online」でインストール可能なディストリビューションの一覧を表示することができます。
また、Windows 11版のWSLでは、WSLアプリケーションのグラフィックとオーディオがサポートされています。MicrosoftはWindows 10 Insider Build 21364で、LinuxのGUIアプリをWindows上で実行することができるWSLgを発表し、Windows 11は製品版としてはじめてこのWSLgをサポートしています。これにより例えばWSL上のUbuntuのFirefoxを利用して、YouTube動画を再生するといったことも可能となったのです。
Windows 11は、外観の刷新など派手な部分だけが注目されがちですが、開発者にとってはむしろWSLの改善こそ注目すべき新機能かもしれません。開発者のコミュニティHacker NewsでもWindows 11のWSLに関して活発な議論が交わされています。