松野博一官房長官は11日の記者会見で、国内での新型コロナウイルス感染拡大の原因が在日米軍にあるのではないかと改めて問われ「その一つである可能性があると考えている」と初めて認めた。在日米軍関係の感染者は10日午後時点で計3638人(回復者を除く)に上ることも明らかにした。
政府はこれまで、米軍側が実施するゲノム(全遺伝情報)解析の結果が出ていないとして、因果関係を明言していなかった。解析結果については、11日の会見でも「待っているところだ」と話した。
在日米軍関係の感染者は6日午前時点の1784人から4日間で倍増。3分の2に近い2302人は、まん延防止等重点措置が適用されている沖縄県に駐留している。同じく重点措置の対象となった山口県の岩国基地でも518人に上った。
松野氏は会見で、沖縄県のキャンプ・ハンセン内のクラスター(感染者集団)に関し、検査した検体の47%がデルタ株以外への感染だったと説明。日米双方がオミクロン株として対応していく方針で一致したことを明らかにした。
感染拡大の原因を巡っては、自民党の茂木敏充幹事長も会見で「基地関係者との関係で(国内の)感染が拡大したというのは否定できない」と指摘。佐藤正久外交部会長は党会合で「在日米軍との意思疎通が不十分だった外務省の責任も重い」と批判した。(山口哲人)
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