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10月29日(金)公開の映画「そして、バトンは渡された」のジャパンプレミアが行われ、永野芽郁、田中圭、石原さとみ、稲垣来泉、市村正親、前田哲監督が登壇した。

©2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会

 

本作は、2019年の本屋大賞を受賞した瀬尾まいこによるベストセラー小説の映画化。永野と田中が、血のつながらない父娘を感動的に演じ、石原が物語のキーパーソンとなるシングルマザーで初の母親役に挑戦。さらに子役の稲垣、岡田健史、市村や大森南朋と、若手からベテランまで豪華キャストが集結した。監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(18)の前田哲、脚本は橋本裕志。

©2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会

 

永野&田中の父娘ペアが腕を組みながら登場すると、田中が永野へミニブーケのサプライズプレゼント。永野は「ミニブーケにびっくり!キュンってしましたよー!」とキュートな笑顔が飛び出した。続いて稲垣からブーケを受け取った石原が喜びをあらわに。ファンを迎えてのイベントとなった会場は盛大な拍手に包まれた。

 

永野は本作のオファー前に原作を読んでおり、永野の母も原作が好きで優子役を娘に演じてほしいと熱望していたという。「私も母親も原作を読んでいまして、目の前で読んでいる母の姿も見ていたんですけど、とにかく楽しそうに笑っていたり涙を流していたり、感情が揺さぶられていました。『もしこれが映画やドラマ化されたとき、主人公を芽郁が演じてくれたらなあ』と会話をしていたので、今、ここにいるのが不思議な気持ちでいっぱいです」と話した。

 

優子役が決まった際は「母もびっくりしていて、今までお仕事のことで、これ演じてほしいとか、楽しみ、とか言われたことがなかったんですけど、今回はすごく楽しみにしているねって言っていました」と、運命的に優子役に抜擢されたときの思いを振り返った。

 

眼鏡とエプロン姿が印象的な、料理好きの森宮さんを演じた田中。「自分が父親なので、最初はどうにかなるだろうと思っていたんですけど、実際は芽郁ちゃんの年齢と自分の子供たちの年齢が全然違うので、父親としての感覚が当てにならなかったです。監督と一緒に役を作っていって、特に“お兄ちゃん”のようにはならないよう気を付けながら、父親としてすごく幸せな家族を演じさせていただきました。森宮さんは料理が得意なんですけど、僕は料理をしないし、普段は眼鏡もかけていないし、共通点というのは…懐の広さですかね!(笑)」と女子高生の娘を持つ若い父親という役作りの難しさを振り返りつつ、おちゃめに懐の広さをアピールした。

©2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会

 

キャリア初のシングルマザー・梨花役に挑戦した石原は「正直、初の母親役ということに気負いはしませんでした。血のつながらない娘を持つということは、梨花にとっても初めての経験なので、最初は不安ながらも愛が育っていくというところがリンクしていたんだと思います」と感想を語った。

 

続けて「梨花がみぃたんのことを好きなように、私がどれだけみぃたんのことを好きになるのかが重要だなと思い、クランクインの前に監督が二人きりの時間を用意してくださったんですが、一緒に過ごしてすぐに、もう本当にくるみんのことが好きだな!って思いました。二人で撮った写真を待ち受け画像にして、離れている時間はそれを見ながら愛を育んでいました。役作りはこれで終わったし、これから愛を深めていくだけでいいんだと思うと、本当に楽しく撮影ができました」と振り返った。

 

そんな石原の娘役を演じた稲垣は「楽屋でも撮影のときもずっとお話をしていて、本当に親子みたいな関係が作れました。この間、久々にお会いした時も、さとみちゃんがくるみん!って変わらずに呼んでくれて、うれしかったです」と、実の母親のように慕い、あだ名で呼び合う関係であることを明かした。

永野芽郁©2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会

 

現場では永野&田中、石原&稲垣、それぞれペアでの撮影シーンが多かったという。永野は「卒業式のシーンは、演技をしてピアノも弾いていたので、すごく頭も使って、手が動かなくなりながらの撮影だったんですけど、田中さんが疲れてるだろうなと気を遣ってくれて、ケーキを買ってくれたんです。あれはうれしかったです…!」と田中の優しい一面を紹介。田中は「長い長時間の撮影で、ずっと壇上でピアノを弾いて演技をしていて、俳優として本当に尊敬したんです。差し入れを買って、お疲れ様って渡したらすごく喜んでくれたので、良かったです」と語った。

 

また稲垣が、印象に残るシーンとして「みぃたんが、ママに本を渡すときに、指にカレーのルーが付いていて、その本を持てなくて、慌ててました!(笑)」と、おっちょこちょいな石原の一面を明かすと、石原は「それ、実は演技だったんです(笑)。でも、それを本当に焦っていたって思ってくれたらうれしいです」と役作りだったことを説明し、プロの実力に稲垣も尊敬のまなざしを向けた。

 

市村は「僕は芽郁ちゃん、岡田(健史)君、来泉ちゃんが皆、ピアノを弾くシーンがあるんですけど、元々は弾けなかったのに、撮影の何か月か前に練習して弾けるようになったと聞いてびっくり。うちの子もピアノを習っているんですがあまりうまくできないんだよね、って来泉ちゃんに相談したら、『続けることが大事だよ!』ってアドバイスをもらいました(笑)」と、10歳とは思えない大人びた稲垣の素顔が垣間見える秘話を明かした。

 

永野は卒業式のシーンで、誰もが知る卒業ソング「旅立ちの日に」を日々レッスンを重ねて実際に演奏。「撮影に入る3か月前からピアノの練習を始めたんですけど、『猫踏んじゃった』も弾けないし、楽譜も読めなかったので、3か月後にあの有名な合唱曲を弾けるようになるのか?という不安と戦いながら練習をしていたんですが、だんだんとピアノが楽しくなって、早く皆さんにお見せしたいという思いが募りました」と話し、「実際に中学の卒業式で歌ったんですけど、そのときはお友達が難なく伴奏をやっていて、あの子すごいな!って今になって思いました(笑)」と練習に励んでいた日々を振り返り、自身の思い出とも重ねていた。

 

田中も「最初はピアノが弾けなかったことが分からないくらい、自然で楽しそうだったし、3か月でこんなふうにできるんだ、練習頑張って本当に偉いなと驚きました。プレッシャーに追い込まれている状況で、緊張もしてたと思うんですけど、楽しさが前面に出ていたのが、優子ちゃんぴったりで、ピアノを弾いている芽郁ちゃんが好きでした」と永野をベタ褒め。永野も少し照れた様子を見せた。

 

本作にはさまざまな「秘密」が隠されており、見どころでもあるが、撮影現場を共にしたキャストだから知る秘密を暴露するコーナーも。田中は「芽郁ちゃんはトマトが苦手なんですよ。優子と森宮さんがご飯を食べるシーンがあるんですけど、何を食べているのかな?って、芽郁ちゃんはトマトが苦手ということを意識しながら見ていただければと思います(笑)」と明かした。

 

石原は「私はくるみんが、圭君と大森南朋さんに対してだけはいたずらっ子になることを知っています。くるみんがなぞなぞを出して最後まで答えられない南朋さんをいじって、南朋さんもまたいいリアクションをしてくれるんです(笑)」と稲垣の子供らしい無邪気な一面を紹介し、稲垣は「して…ました!(笑)」と笑顔を見せた。そんな稲垣は、自分の秘密を明かし「私は7才から10才のみぃたんを演じたんですが、しゃべり方や声、表情、動作などを微妙に変えていたんです」と大人顔負けな役作りについて明かした。

 

「僕は芽郁ちゃんの秘密を知っています」と切り出した市村は「再来年で僕も役者50周年で、いろいろな女優さんを見てきましたけど、こんなに自然な演技をできる女優さんは初めてお会いしました!何でだろう?って考えたんですけど、実は毎朝おかかのおにぎりを食べていたんです。最近の取材で会ったときもおかかおにぎり。そこに秘密があるのかな?って思います(笑)」と分析。

 

永野は「ゲン担ぎとかではないんですけど4、5年前から毎朝おかかのおにぎりなんです。ずっとシャケ派だったんですけど、ある日、『シャケじゃないしょっぱいものがいい!朝から食べてる感じがほしい!』と思って、おかかを選んでから早4年がたちました(笑)」と知られざる日課を語った。

 

最後に前田監督が「卒業式のシーン、永野さんをはじめ、ピアノを弾くだけで大変なのに、そこに感情を乗せて、キャストの方には素晴らしいお芝居をしてもらっています。僕は俳優さんが輝いたら映画も輝くと思っていますが、今回ほど輝きを見せていただいたのは感謝しかないし、観客に届けられることが喜ばしいです。今日がこの映画を観る最初のお客さん、初めてのバトンになるので、ぜひ、今日見た感想をバトンに乗せて周りの人たちにも渡していただけたらありがたいです。よろしくお願いいたします」とメッセージを送った。

 

作品情報

映画「そして、バトンは渡された」

2021年10月29日(金)より全国公開

 

公式サイト:soshitebaton-movie.jp

公式Twitter:@baton_movie

公式Instagram:https://www.instagram.com/baton_movie/

 

©2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会