ボールペンやシャープペンシルといった、ド定番筆記具と比較するのは難しいが、それでも明らかに水性カラーペンの人気は、以前よりはるかに高まっているようだ。中高生は、女子を中心に“ノートのカラフル化”が進んでいるし、男子にだって細字カラーサインペンを日常筆記用に使っている人がそれなりにいる。
筆者は、公式書類でもない限りは「筆記は黒インクに限る」という固定概念に特に意味はないと考えている派なので、多彩なカラーペンを楽しむ層がもっと増えれば面白いと思う。
また、カラーペン自体も、色数だけでなくペン先チップやインク特性に特徴を持たせたものがここ数年でかなり増えている。
その中でも人気が高いのが、“ドットマーカー”タイプである。垂直に円筒状や球状のチップを捺す(おす)だけできれいなドットが描けるため、手軽にノートや手帳の紙面を飾ることができるというものだ。トンボ鉛筆「プレイカラードット」や呉竹「ZIG クリーンカラードット」などが先行してすでにかなり売れているらしく、後続の製品もあれこれ出始めているようだ。
そこで今回は、そういったドットマーカータイプの製品を2点、紹介したい。かわいいもの好き男子や大人が使うのも、充分にアリだと思う。
蛍光&ドットが使いやすい最新マーカー「マルライナー」
まず紹介するのは、2021年8月に発売されたエポックケミカル「マルライナー」だ。従来のドットマーカーは「細字」と「ドットチップ」のツインタイプが主流だったが、こちらは単体で球状ドットチップの「マル」と細字の「ホソ」に分かれて展開している。その分、1本辺りのお値段は少しお安くなってます、ということだろう。
エポックケミカル
マルライナー マル 全24色
各140円(税別)
蛍光色の色数が多いのが特徴
何より目を惹くのが、その色数だ。ローンチで「マル」が全24色というのは、呉竹のクリーンカラードットと並んでドットマーカーではトップクラス。そもそも“多彩さ”がカラーペンの魅力である以上、色数の多さはシンプルに購入時の選択基準になり得るはず。その点で、エポックケミカル、勝負してきたな? と感じる。
そしてその24色の中に蛍光色が多く含まれている、というのも大きなポイントだ。というか、製品自体のスタンスが「丸いチップの蛍光マーカー」なのである。
黄色系・オレンジ系・青系・緑系・紫系・ピンク系にそれぞれ微妙なニュアンスのバリエーションがあるため、ありきたりな蛍光イエローは飽きたという人でも、選び甲斐がありそうだ。
“マーカー”としてのメリットも大きい
ただドットが描けるマーカー、というだけだと「うーん、使わないかな?」とパスする人はいるだろう。対して、ドットも描ける蛍光マーカーなら、蛍光マーカー+αの製品として欲しくなる可能性はある。
正直、ポンポンとドットを描くのは誰がやっても相当に楽しいので、蛍光マーカー目的で買ってドットマーカーにハマった、という人も出てくるんじゃないだろうか。
また、純粋に蛍光マーカーとして考えても、ドットチップにはメリットがある。
マーカーペンのペン先チップといえば、先が平たくなった硬い“チゼルチップ”(たがね型)が主流だが、常に正しい角度で紙に当てないと均質な線が引きにくいという難点がある。対して球状のドットチップは、どの角度で紙に当てても同じように線が引けるのだ。力の入れ加減で線の太細が変わってしまうというデメリットはもちろんあるが、個人的にはチゼルチップよりも圧倒的に使いやすいと思う。
布用に特化したドットマーカー「ヌノデコペン ドット」もおすすめ
もうひとつ紹介したいのが、KAWAGUCHI「ヌノデコペン ドット」だ。そもそもKAWAGUCHIというのは手芸用品メーカーであり、さらに製品名からもなんとなく推察できるとおり、こちらは布にドットを捺すための手芸用ツインマーカー(ドット/細)なのである。
KAWAGUCHI
ヌノデコペン ドット 全15色
各280円(税別)
構造としては他のドットマーカーと同じで、柔らかいドットチップを捺すことでドットが簡単に描けるというもの。ただしインクが耐水性の強いタイプなため、布に描いて乾燥した後なら洗濯も可能となっている。もちろん、紙に使うのでも問題はない。
基本的には、トートバッグやTシャツなどに自分でデザインしたドット柄を入れる、という使い方が楽しめそうだ。また、小さな子どもが複数いる家庭では、兄弟姉妹の靴下などに各自の色のドットを捺しておくことで、混ざってしまわないような目印にもなる。あとは保育園でのお着替え用着に、名前の横にかわいいマークなんか入れてあげると、喜んでもらえるんじゃないだろうか。
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