大和ハウスグループの大和ライフネクストは11月10日、マンション居住者のための仮想消防訓練が行える「VR消防訓練」のサービス提供を開始した。これは、大和ライフネクスト、理経、横浜市との三者連携協定による「次世代型マンション防災コンテンツの共同研究開発」の成果とのこと。
このコロナ禍で、大勢のマンション住人が集まって消防訓練を行うことが難しくなっている。また、いろいろな理由で訓練に参加できない住民も少なくない。横浜市消防局の調べでは、2020年度、横浜市の自治会や町内会で消防訓練が実施された件数は、前年度の6割減だった。VR消防訓練は、そうした状況化でも、人が実際に密集することなく訓練が行える機会を提供する。試験的に導入したあるマンションでは、VR消防訓練の参加者は、従来の形に比べて参加率が5倍に増えたという。
VR消防訓練には、次の3つの特徴がある。
- いつでも、どこでも、何度でも参加可能:スマートフォンを使ってVR動画を視聴する形なので、期間中は何度でも、各自それぞれのタイミングで見ることができる
- 消防法に則った訓練内容:消防法で定められた、消火訓練、避難訓練、通報訓練が、横浜市消防局の監修によるVR動画で体験できる
- マンション管理組合の負担軽減:居住者への案内、参加集計、実施後のアンケートなど、必要な作業はコンテンツに含まれているので、管理組合の手間が省ける
また同サービスは、大和ライフネクストが展開するマンション防災関連サービス「マンボウ」の1つとして提供される。サービス開始時点では、大和ライフネクストが管理を受託するマンション管理組合を想定しているが、今後は広く一般にもサービス提供を行う予定。「オンリーワン防災マニュアル制作サービス」と組み合わせて使うことで、より効果的にマンション居住者の防災力、自助力の向上がはかれると、同社では話している。