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3代目のアイゴで、トヨタはサブコンパクトを再構築した。

サブコンパクトからミニSUVへと進化したアイゴX(アイゴ クロス)。アイゴXはクロスオーバーとなり、より大きなスペースを提供する。シートチェックを含めたすべての情報をお届け。

コンテンツ一覧:
➤ 価格と市場ローンチ時期
➤ サイズ
➤ インテリア
➤ エンジンラインナップ
➤ テクニカルデータ

先代よりも高価になるアイゴX(アイゴ クロス)

新型「アイゴX」で、トヨタはサブコンパクトカーの新しい道筋を描いている。
なぜなら、前2世代(2005年から2014年、2014年から2021年)とは異なり、3世代目のトヨタ最小モデルは、ミニクロスオーバーに成長するからだ。
3.70メートルの新型車は、大幅に長くなっているが、これはビッグサイズの兄貴モデル、「ヤリス」の改良型プラットフォームをベースにしているためだ。
しかし、パワートレインについては、以前と変わらず、「アイゴX」には、3気筒ガソリンエンジンが搭載されている。

しかし、トヨタはこの「アイゴX」にハイブリッドシステムの「e-drive」を搭載することも考えている。
サイズが大きくなり、SUVのような外観になるため、価格は上昇すると思われる。
我々は、2022年春の市場投入時には、14,000ユーロ(約185万円)前後のスタート価格になると予想している。

新型アイゴXは、ヤリスのプラットフォームを採用することで大幅にサイズアップ

「アイゴX」のシートメタルの下には、「ヤリス」と「ヤリス クロス」の改良型プラットフォーム(TNGA-B)が搭載されている。
これにより、「アイゴX」は、トランク容量が大きくなっただけでなく(231リットル、リアシートを倒すと829リットル)、実質的にすべての方向に成長している。

サイズ一覧:
● 全長Length: 3700mm
● 全幅: 1740mm
● 全高: 1525mm
● ホイールベース: 2430mm
● トランク容量: 231リットル; リアシートを折りたたんだ場合: 829リットル

大幅に大きくなった。3代目となるアイゴは、より長く、より広く、より高くなった。

背の高い人でも十分なスペースを確保できる、最小のクルマ

スペーシーなダッシュボードが特徴的なインテリアデザインだが、背の高い人でもフロントには十分なスペースが確保されている。
マルチファンクションステアリングホイールは、大人っぽく整然とした印象を与える。
9インチのタッチスクリーンは追加料金で利用でき(標準は7インチ)、インフォテイメントはApple CarPlayやAndroid Autoによるスマートフォンとの連携や、無線によるアップデートにも対応している。
サブコンパクトカーの典型的な特徴は、素材の選択だ。
どこにでもあるような硬いプラスチックに加えて、フロントとリアのドアには塗装されたシートメタルが使われている。
背の高い人がフロントに座ると、後席の乗員にはかなりの妥協が要求されるが、ほとんどの人が街中を走るには十分なはずだ。
リアドアのヒンジ式窓やヒラヒラしたトランクカバーは素朴なものだが、「アイゴX」は個人の移動手段としての基本的なニーズ以上のものは備えている。

アイゴXのシートポジションは、先代と比較して55mm高くなっている。

トヨタ アイゴXは、3気筒エンジンを搭載

走りに関しては、トヨタは実績を残している。
ボンネットの下には、おなじみの3気筒ガソリンエンジンが、ターボチャージャーなしで搭載されている。
そのエンジンは、1リッターの排気量から、72馬力と最大93Nmのトルクを発揮し、それらを前輪に供給する。
大したことないように聞こえるが、このエンジンの出力は非常に低い乾燥重量とマッチしている。
装備にもよるが、「アイゴX」の車重は、940〜1015kgしかないと言われている。
変速機は、マニュアルの5速トランスミッションか、S-CVTと呼ばれる無段変速のオートマチックトランスミッションを採用しているが、S-CVTは減速しないように調整されていると言われている。
トヨタは、平均燃費を、リッターあたり21.2km(マニュアル)、またはリッターあたり20.4km(オートマチック)と公表している。
走行性能はサブコンパクトカーとしては、そこそこのもので、最高速度は158km/h、0から100までの加速は約16秒だ。

テクニカルデータ:
● エンジン: 3気筒ガソリンエンジン
● 排気量: 998cc
● 最高出力: 72PS@6000 rpm
● 最大トルク: 93Nm@4400 rpm
● 最高速度: 151km/h(AT) / 158km/h(MT)
● 0-100km/h加速: 15.5秒(AT) / 15.6秒(MT)
● 平均燃費: 21.2km/ℓ(MT) / 20.4km/ℓ(AT)
● ガソリンタンク容量: 35リットル

このようなツートンカラーの塗装には追加料金がかかる。

こういったコンパクトクラスでもSUVモデルが登場することになったが、このぐらいの「ちょうどよさ」を持った車は使い勝手もよく、魅了的に感じる。特に着座ポイントが高く見晴らしが良いようだし、車高や着座ポイントを高くということは寝そべったシートポジションではないということでもあるため、有効にスペース効率を使うこともできる。
写真を見る限りなかなか魅力的だし、(おそらく)かなり魅力的な価格(200万円以下)を持つことを考えれば、かなりのヒットとなるのではないだろうか。
日本には、このクラスに「ライズ」もあるが、この「アイゴX」のほうが正直垢ぬけていてスマートで格好いい。日本にもこの車を導入すればなかなかの人気を得るのではないかと思うのだが、どうだろう?? 5ナンバー枠をはみ出た、1740mmという全幅のために、日本ではダメなのだろうか? そうであれば残念だ。

Text: Peter R. Fischer
加筆:大林晃平
Photo: Toyota