2021年11月4日に配信されたWindows 11のプレビュービルド「Windows 11 Insider Preview Build 22494」では、Microsoft Edgeで開くように設定されているリンクを任意のブラウザで開くように変更する仕組みが機能しなくなっていることが判明しました。
Windows 11 blocks Edge browser competitors from opening links
https://www.ctrl.blog/entry/microsoft-edge-protocol-competition.html
Latest Windows 11 overrides attempts to avoid using Edge • The Register
https://www.theregister.com/2021/11/11/latest_windows_11_build_enforces_edge_links/
通常の場合、「https://」で始まる普通のリンクは規定のブラウザとして設定されている任意のブラウザで開かれます。しかし、Microsoftの音声アシスタント・Cortanaが示すリンクや、Windowsの設定やヘルプ画面に記載されている一部のリンクは「microsoft-edge:https://」で始まっているため、規定のブラウザの設定にかかわらずMicrosoft Edgeが起動してしまいます。
by okubax
そこで、ソフトウェアエンジニアのダニエル・アレクサンダーセン氏は2017年に、Edgeで開くよう強制されているリンクを好きなブラウザで開けるようにするフリーソフト「EdgeDeflector」を開発して公開しました。このEdgeDeflectorを使うことで、Windowsユーザーはスタートメニューの検索結果や、Windowsとペアリングされたスマートフォンから送られてきたリンクなど、通常はEdgeで開かれてしまうようなリンクでもChromeやFirefoxなどで開けるようになります。
アレクサンダーセン氏によると、EdgeDeflectorは50万人のユーザーを抱える人気アプリだったとのこと。また、2021年10月にはBraveやFirefoxが相次いでEdgeDeflectorと同じ機能を採用したことから、ユーザーにとってEdgeの強要を回避する機能の需要は相当高いことが分かります。
しかし、11月4日に配信されたWindows 11 Insider Preview Build 22494からは、「microsoft-edge:」を扱うプログラムをEdge以外に設定することができなくなったため、EdgeDeflectorが機能しなくなってしまいました。アレクサンダーセン氏によると、強制的にWindows 11からEdgeを消し去っても、別のブラウザが開かれるのではなく空白のウィンドウとエラーメッセージが表示されるようになっており、何がなんでもEdge以外を使わせない措置が講じられているそうです。
この変更に対し、アレクサンダーセン氏は「これはもはや、自社製品を大切にする気配りのある企業のやることではありません。MicrosoftはWindowsのよき管理者であることをやめて、ユーザーの生産性より宣伝や自社サービスを利用させることを優先させています」と述べて、怒りをあらわにしました。
アレクサンダーセン氏はまた、Windows 11では規定のアプリの設定が非常に煩雑になっていることを指摘した上で、「ユーザーにとっての最善の行動は、住んでいる地域の規制当局に通報するか、Linuxに乗り換えることです」と述べて、今回の変更は独占禁止法に抵触している可能性が高いとの見方を示しました。
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