元サムスン社員であるSuper Roader氏が発端の「Galaxy S22シリーズはExynos搭載モデルがない」という、にわかに信じがたい噂が昨年11月に浮上し、これは本サイトでも紹介しました。
当初は著名リーカーからも否定的な意見が相次いだものの、発表1ヵ月前にして再びこの噂が浮上しています。
Exynos 2200(仮称)の発表が遅延?
韓国のリーカーであるDohyun Kim氏によると、Galaxy S22シリーズにExynos 2200は搭載されないようです。
「Exynos 2200は死んだ」とも発言していますが、これは後から遅れて発表される可能性があるとのこと。
Exynos搭載のGalaxyは、Geekbench Browserにて欧州エリア向け(となるはずだった)B型番として発見されていますが、このモデルがお蔵入りになる可能性がある、ということになります。
なお他に従来Exynos搭載モデルが販売されていた地域としては、アジア・太平洋エリアや韓国などがあります。
Geekbench Browserの結果によると、これらのExynos地域に向けて発売されると予想されるモデル型番も、従来とは異なりSnapdragon搭載となっており、氏の発言とある程度一致します。
にわかに信じがたい噂ですが、フォルダブルであるGalaxy ZシリーズではFold2から全世界でSnapdragon搭載に統一されており、特段あり得ないということもありません。
サムスンによるExynosは、クアルコムのSnapdragonよりもパフォーマンスが劣っていることが多々あり、あまり評判が良くありませんでした。
わざわざSnapdragon搭載モデルを他国から輸入する欧州のユーザーもいたほどですが、もしこの噂が本当だとしたら、そういったユーザーにとっては嬉しいニュースとなるでしょう。
半導体不足だけが理由ではない可能性も
このExynosのリリース遅延は半導体不足の影響も大きく受けているとみられていますが、それだけではないかもしれません。
サムスンに詳しいリーカーIce universe氏もExynos 2200の発表延期を指摘しており、「昨年からExynosの開発がうまくいっていない(意訳)」と発言しています。
以前よりExynosのフラグシップ製品はSnapdragonよりも性能が低いことを指摘され続けており、完全な独自設計であった高性能側のCPUコアも、Exynos 2100よりARMのIPに変更されています。
これにより何とかCPU性能は追いついたものの、同じくARMのIPを採用しているGPUでは引き続きSnapdragon(Adreno GPU)に劣りがちであるのが現状です。
GPUは2019年にAMDとの共同開発を発表しており、Exynos 2200(仮称)でこの共同開発GPUを初搭載すると言われていますが、この開発もうまくいっていないのかもしれません。
時間がかかったとしても、性能の高い製品を実現してほしいところです。
欧州もE型番となる予想
Galaxy S21 FEでは従来B型番で統一されていたアジア・太平洋エリア、および欧州エリアではそれぞれ異なるE型番(G990E)とB型番(G990B)で分けて展開されています。
これは主に搭載するシステム・オン・チップ(SoC)が異なるためですが、S22シリーズでどちらの地域でもSnapdragon搭載となるのであれば、欧州にもE型番が波及する可能性は高いでしょう。
SoC以外共通の仕様となっているモデルが不自然に混在しているのは、半導体不足を見越したものと考えられます。どちらのSoCで展開することになっても問題がないように調整しているのではないか、という筆者の予想です。
とはいえ実際にサムスン社内でこれらが検討されていたとしても、まだハッキリと決まっていないことも十分に考えられます。
また2月中に問題なくExynos 2200が発表されるという報道もあり、どちらが正しいか断定ができない状況になっています。
Galaxyは多数のリークが漏れがちですが、SoCの情報については発表まで錯綜しそうです。
画像:Samsung
参考
Galaxy S22 may get Snapdragon globally as Exynos 2200 disappears – SamMobile
Samsung Electronics to Unveil Exynos 2200 AP on Launch Day of Galaxy 22 – Businesskorea