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国内

活発な前線が停滞している影響で、九州地方では、11日から断続的に激しい雨が降り続いている。

福岡県と熊本県には、発達した積乱雲が連なって集中豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生した。

これを受け、気象庁は、午後2時前に福岡県と熊本県に「線状降水帯発生情報」を発表した。

非常に激しい雨が同じ場所に降り続き、災害の危険性が急激に高まったため。

また、大雨警戒レベルの最も高い「緊急安全確保」が、熊本・和水町と大分・九重町に出されている。

12日午前10時半すぎの熊本市内では、バチバチと音を立てながら激しい雨が路面をたたきつけていた。

急に雨脚が強まり、あたりが白くなるほどだった。

突然の雨に見舞われた人たちが、雨がしのげる場所へあわてて駆け込む姿が見られた。

この雨で、道路はあっという間に冠水。

さらに、商店街が立ち並ぶアーケードも、雨が降り始めて、およそ10分後には冠水してしまった。

長崎・茂木町では、斜面に生えていたとみられる木が道路を覆い隠すように倒れていた。

そして、倒れた先には保育園があった。

建物の屋根にのしかかるように倒れた木は、県道を塞ぎ、付近の道路が通行止めになっている。

一方、大分・日田市の天ケ瀬温泉街でも、激しい雨が降り続いている。

日田市の温泉街を流れる玖珠川は、断続的に降る雨の影響で川が増水しているほか、茶色く濁った水が勢いよく流れる様子がわかる。

この玖珠川は2020年7月、九州を襲った大雨で氾濫した。

川に架かる橋が壊れ、路上には濁流で押し寄せられた流木などが散乱。

甚大な被害を受けた。

あれから1年、再び危惧される災害級の大雨。

住民からは、不安の声が聞かれた。

住民からは「不安ですね。正直なところ」、「怖いです。また同じようなことが起きるような気がしますもんね。心配です」

さらに、停滞する前線にともなった雨雲は、西日本や北陸、東海などあちらこちらで発生。

いつどこで大雨になってもおかしくない状況。

西日本から東日本の広い範囲で、長期間にわたり災害級となるおそれがある今回の雨。

土砂災害や道路の冠水、河川の氾濫など厳重な警戒が必要。