最近の研究によって、私たちが考える以上に土壌菌類と植物の関係が明らかになって来ている。
これまで、ほとんどブラックボックスの中で、ほとんどその生態が不明だった土壌菌の役割に少しづつ光が差し込んできている。(遺伝子解析技術の進歩です。)
しかし、それでも、深海の未知の世界の様子を知ることが未だにできないように、まだまだ謎に包まれているのが土壌菌の世界である。なにしろ99.9パーセントの土壌微生物が未発見といわれている。
そんな、土壌菌だが、古くからその存在が知られていて、農業に活用することでより生産性が増すのではないかという期待で多くの土壌菌資材が開発されてきた。
最近ではエンドファイト(植物の中側という意味)という植物共生菌類が注目を浴びている。
このエンドファイトは菌根菌(きんこんきん)の仲間となる。
およそ、植物に寄生や共生している菌類の事を菌根菌と呼ぶ。
マツタケは生きた松の木から養分をもらって生きている。また、シイタケは枯れた植物(枯れ木)を分解して栄養を得ている。天然のシイタケには生きてる樹木に寄生して実をつけるものもいる。
これらの寄生菌のほとんどは相利共生といって、宿主が悔過校で長生きできるようにビタミンなどの栄養剤を作って供給している。土壌からミネラルなどを吸収として植物に供給するのも役割の一つだ。
菌根菌やエンドファイトの実態の解明の研究は最近本格化してきたけれど、ほんの入り口に立っている状態だ。
ナルナル菌の販売はおよそ15年前から始めた。
菌の名称『ナルナル』は特定の菌の名前ではなく、植物が元気にナル、おいしくナルといった語呂
合わせから命名されている。多数の種類の土壌菌が共生しあう複合した菌の集合体こそが、土壌菌の実態であるとわかっていたからだ。なので、単独の菌の種名を明らかにしてもそれは多数いる菌の中の一種であって、菌群を構成する中心的な存在ではなく、むしろ端っこのほうにいるミソッカスみたいな奴である可能性が高い。(腸内菌でいうと、どっちつかずの日和見菌みたいなの)
土壌菌の生態や実態にそぐわないと思ったから、あえてあいまいな名前にして販売をする事にした。
当時も、今でも、ナントカ菌という名前で販売している微生物資材が多いけれど、土壌の中の様子をみると、単独の菌が栄えることは自然ではあり得ない。
昨年の夏、永遠の若大将「加山雄三」さんが、病から復帰してテレビで歌を披露していた。
御年85歳になられるようだ。
元気な姿はファンを安心させたけれども、年を感じさせるのは致し方ない。
加山氏が歌うバックにはバンドがいて演奏をしているのだけど、加山氏の音程に合わせて演奏しているのがわかる。
この様子を見ていて、こう思った。
『加山氏が植物(野菜や果物)で、演奏者は土壌菌たちではないだろうか』
バックバンドの中にはチームのリーダーがいる。つまり指揮者(コンダクター)だ。
調和を持った音楽を演奏するのにコンダクターの存在は欠かせない。
フルオーケストラになると100人以上の演奏者(楽器)が参加して、それぞれが音を出す。
それをまとめるのがコンダクターの仕事だ。
数人のチームだったら阿吽の呼吸でこなせそうだけど、規模が大きくなるとコンダクターの存在は必須となる。
土壌菌の世界も、コンダクターのような存在がいてもいいだろう。
プロのオーケストラになると、当然マネージャーがいて楽団員に給金を支払う。
多種多様な劇団員をまとめるリーダーシップも要求される。
なにより、歌手がいる。
歌手が最大限引き立つように歌いやすいように、その能力を十二分に発揮できるように支援しなくてはならない。主役の歌手がいて楽団員が生きるのである。
歌手にも個性や体調があって、調子の悪い時もあるだろう。そんな時でも引き立てられるように支援するのが優秀なコンダクターなのであろう。
目に見えない土の中でも、様々な土壌菌がいて、個性たっぷりな奴らばかりである。
なにより、餌の好みが著しく激しいのである。
変形菌という生き物がいる。アメーバと呼ばれる生き物で世界中で1000種ほどが確認されている。日本にも700種くらいいるらしい。しかし、飼育しようにも餌がよくわかっていない。現在飼育可能な変形菌は10種類ほどらしいのだ。
有名な餌にオートミールがあるけれど、メーカーや品質を選ぶと言われている。どうも変形菌微小なカビやバクテリアを餌としているようだが、カビの種類にも選り好みがあって、餌探しも粘菌飼育マニアの興味の的とである。餌を見つけただけで論文が書けるくらい大変な事なのだ。
ナルナル菌の餌はもみ殻である。もみ殻の主成分は木質のセルロースで、要するに材木で鉋屑みたいなものである。長年このもみ殻の分解に多くの研究者が努力してきたが、薬品で溶かすくらいしかできていなかった。セルロースを効率よく分解できれば、そこからエタノールという燃料が取り出せるからである。
自然界の土壌菌にとって、セルロースの分解は、とても大切なことで、現在の地球に石炭や石油が豊富にあるのは、かつてカンブリア紀(約5億年前)に地上で大繁殖した植物は、まだ、セルロースを分解して栄養を作る微生物や菌が登場していなかった。から、植物遺体の枝葉は大量に地表に溜まった。やがて地殻変動で、それらの植物遺体が地下深くで石炭になる。その時代が石炭紀と呼ばれる。約4億年前の出来事である。現在、私たちが使っている石油はこの当時の残留物である。
石炭紀の終わりに、ようやくセルロースを分解できる機能を獲得した生物が出現する。キノコ類だと考えられている。
キノコ類も種類が多く、実は未発見のキノコのほうが多いし、食用になる傘をつくるキノコは極少数だと思ったほうがいい。ほとんどは糸状菌の形で、白い糸を蜘蛛の巣のように伸ばして生息している。森の中には、ハンペンみたいなのが見つかることがある。キノコの白い実のみの形で固まりだろうか。
菌類はセルロースを分解することによってお砂糖類を作っているのである。
結構、微生物は甘いものが好きらしく、微生物資材のほとんどは糖蜜などの甘いお菓子みたいなものを与えて微生物を培養する。
でも、畑の中にお菓子屋さんがいなかったら飢え死にするしかない。
ましてや畑の中にコタツはないし。
ナルナル菌が、他の資材と根本的に異なっているのは、ナルナル菌自体がセルロースを分解して、糖をつくり、お菓子屋さんを開業できるということである。
畑の中で自己培養できるのがナルナル菌群の最大の特徴で、お菓子屋さんを開くことによって、多くの土壌菌を引き寄せることが可能であるということだ。
そして、多くの微生物たちとシンフォニーを奏でるのである。
だから、ナルナル菌を施肥した畑では、微生物の指数が極限まで高まることができるのである。
植物と共に生きる菌たちのエデンではなかろうか。
ナルナル菌群はもみ殻に付着して提供している。
もみ殻はナルナル菌のお弁当である。だから、お弁当が減ってきたら足してあげることも必要だ。
餌が無くなると胞子になってじっと耐える。でも土壌生物のセンチュウや、他のカビなどに食べられてしまう事も多い。
ほとんどの人にとっては初耳だったのではないだろうか。
15年にわたり、植物にナルナル菌を与え続けてきた。
今では、多くの常連さんに支えられるようになりましたが、
植物愛好者にとって、
ナルナル菌は隣に知られたくない農業資材
であるようです。効果が出すぎているようです。
ナルナル菌がコンダクターというお話には続きがあります。
いずれ掲載いたします。
とびっきりおいしい野菜や果物を作りたい方。土壌改良をしたい方はどうぞ、ご注文ください。
読んでいただいて、どうもありがとうございます。
◇土耕菌ナルナルの詳細はホームページへ
http://www.narunaru.info/index.html
土壌菌についての解説しています。
◇モンパの被害が多発しています。
ナルナルで被害を最小限に食い止めましょう。
モンパ対策のページ
http://www.narunaru.info/monpa-1.html
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◆FB土耕菌ナルナル【公式】
やや難しいことがリンクされてます。
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◆現代農業2016年10月号にナルナルボカシや樹木への効果等の記事が多数掲載されています。是非お読み下さい。
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