イラクの総選挙については、、どうやらサドル派が大幅に議席を伸ばし、イラン支持の諸政党や民兵組織の支持する勢力は大幅に議席を減らしたらしいと朝がたお伝えしましたが、夜になってもいろいろと数字は入ってはいますが取りあえずの結果のようで、暫定的でもほぼ確定的と思われる数字は出そろっていないようです。
しかしアラビア語メディアはほぼ一致して、総選挙の結果は「政治的地震」だとして、投票の結果は現在の政治地図を大きく塗り替えることになろうとしていますが、イラク政治で最重要な首相ポストを得るために必要な過半数の議席(総議席数329のうち165議席)を得る政党またはグループがない以上、今後連立工作への動きが、イラク政治の中心主題となると思われます。
また親イランの政党や民兵組織は、今回の選挙では不正や医レギュラーが多かったとして、選挙結果を拒否するとしており、今後のイランの出方によっては、イラク政局が大きく混乱する可能性がありそうです。
いずれにしても、海外メディアや日本の報道は「反米のサドル師」がリードしているという見方を示しているが、現在のイラクの最大問題は隣国で中東の大国で、これまでもイラク内政にしばしば介入してきたイランとの関係をどうするかであって、米国との関係ではないのではないと思われる。
なにしろ、米軍はイラクでの戦闘任務は終了しており、バイデン政権がイラクに今後何か起きようとも、米軍の再派遣や積極的に戦闘任務を引き受けるとは思われないので、当面の問題はサドル派等独立強硬派と新イラン派の駆け引きということになると思われる。
仮にサドル師系統の政府ができた場合でも、親米政権とか反米政権とかいうよりは、イランとの関係を念頭に、これに対するカウンターバランスとして米国を見ることになるのではないか?要するに米との関係が圧倒的なものではなくなるということ。
そう考えると、ポスト・サッダムフセインのイラクを作った米国の影響力も落ちぶれたものですね
若干落穂ひろいみたいですが、アラビア語メディアから暫定的な選挙結果をひろってみたところつぎのとおりです(それぞれの記事が書かれた時間的関係もありそうで、整合性はないと思われるし、とにかく暫定数字ということですが)
第1党はサドル派で現在73か74議席 95議席の可能性もある由
次が元首相マリキーの党で35議席
次いで大統領派(ということはスンニ派)で32議席
クルド民主党のバルザニ派が同じく32議席
アムリのファタハ党など親イラン派は従来の47議席を17議席まで減らす可能性がある
女性議員が初めて97議席を得た
https://aawsat.com/home/article/3241546/%D8%A7%D9%84%D8%B9%D8%B1%D8%A7%D9%82-%D8%AA%D8%AD%D8%A7%D9%84%D9%81-%C2%AB%D8%A7%D9%84%D9%81%D8%AA%D8%AD%C2%BB-%D9%8A%D8%B1%D9%81%D8%B6-%D9%86%D8%AA%D8%A7%D8%A6%D8%AC-%D8%A7%D9%84%D8%A7%D9%86%D8%AA%D8%AE%D8%A7%D8%A8%D8%A7%D8%AA-%D9%88%D9%8A%D8%B5%D9%81%D9%87%D8%A7-%D8%A8%D8%A3%D9%86%D9%87%D8%A7-%C2%AB%D9%85%D9%81%D8%A8%D8%B1%D9%83%D8%A9%C2%BB