こちらは「日経クロストレンド」からの転載記事です。
40代おじさんとしての先輩で、憧れの存在でもある奥田民生さんを対談相手に、博報堂生活総合研究所の前沢裕文氏(44歳)が教えを請うた記事の後編。数々の成功を収め、前編では失敗といえば芸名を付けなかったことくらいだと話す。しかし後編では、実は40代おじさんと同様に自信がなく、むしろビビりだと打ち明ける。自信なしに結果を出した、その考え方と生き方を学ぶ。
<前編はこちら>
前沢裕文(以下、前沢):
“40代おじさん”の意識調査の結果もご覧いただきたいのですが。例えば、自分に自信がないっていう人が多かったり(編集注:日経トレンディに掲載された過去の連載を見ながら)。
奥田民生氏(以下、奥田):
まあ、「自分に自信がある」って言わないですけどね。
前沢:謙虚な気持ちで「自信がない」と答えている人もいるかもしれないと。
奥田:そうそうそう。自信がある人も、そう言わないのがいいところみたいな。特に日本人って割とそう。あえて言いませんみたいなのが、美学だったりしますもんね。
前沢:何に自信がないかを具体的に掘っていくと、「家族に対する態度や姿勢」とか、「過去の体験や経験」とか。謙虚というよりはちょっとコンプレックスというか負い目を感じているみたいなのがちょこちょこと出てきます。
奥田:まあでも、それは分かりますよ。
前沢:あ、分かりますか?
奥田:分かりますよ。そんなに自信満々に生きてきてないですし。ビビリですからね(笑)。
前沢:そうなんですか?(笑)
奥田:そうなんですよ。だから人の意見も割と気になるし。運が良かったなとか、そういうのも含めて、まあ結果がうまくいったなぁという気はありますけど。自信があったかというと、例えば、デビューしたら曲をつくらなきゃいけないわけですけど、いい曲つくる自信なんてのは全然なくて。初心者っちゃ初心者ですしね。
やっていくうちに、なんとなく通用しているのかもしれないなくらいの感じで、なんとなくそれが、だんだん他にはない自分だけのものってのが出てるのかもしれないなぁとか、徐々に思っていく感じですね。
だから、最初から通用すると思ってやっている人もいると思うけど、俺はバックボーンも何もない。みんなプロは、音楽いっぱい聴いて、知識がすごいって思っていたから。あちこちにたくさん天才がいるし。やれる自信なんて全然なかったですよ。
前沢:最初、探り探りという感じでやりつつ、どこかでやっていけるなというめどが立ったり、先程人の意見が気になるとおっしゃっていましたけど、いい評判がたくさん入ってくれば、自信につながったり。そういう感じですかね。
奥田:バンドでやって7年くらいかな、1回解散してソロになって、そのときに「ソロになってしまったけど、この後できんのかな」とか、ちょっと不安になったりもしていて。何年かして、ソロも普通にやれるなみたいな、あのあたりからちょっと余裕ができたというか、そんなくらいすよ、だから30歳ちょいくらいですよね。
自分が思っているアイデアを、みんなも受け入れてくれる、その経験が増えていったことで、できるようになったかもと感じる。そんな感じですね。
→続きは日経クロストレンドのページからご覧ください。
<日経クロストレンド「30年のデータで解析! 生活者の変化潮流」>
第1回ーー 「43歳からおじさん」が調査で判明! 「7つの特徴」を大分析
第2回ーー 足りないのはお金より時間 40代おじさんの幸せは“時産”にあり
第3回ーー たこ焼きが1位? 和食が消えた? 好きな料理ランキング大激変
第4回ーー シュフからシェフに! オンラインで「我が家の食卓」が変わる
第5回ーー 40代おじさん必読! J.Y. パーク氏に学ぶ 「褒めワード」ベスト5
第6回ーー 世代間ギャップを学べる魔法の質問 「お金持ちって誰ですか?」
第7回ーー 「お金持ちへの憧れ」は徐々に減る?若者はなりたい自分を投影
第8回ーー 40代おじさんに黄信号 「男女平等感」が世の中とズレている!?
第9回ーー 40代おじさんの意識を精神科医が分析 悲しい性をメッタ斬り!?
第10回ーー40代おじさんの生き様は「30点」? 精神科医による処方箋
第11回ーー40代おじさんはキス派?ラブレター派? 二択から見える意識
第12回ーーZ世代とシニア、上司と部下の板挟みで、40代おじさんは右往左往?
第13回ーー「40代おじさん」の妻は幸せか?夫婦間ギャップに見る危機
第14回ーーロンブー田村淳が思う「かっこいい40代おじさん」とその理由
第15回ーー40代おじさん・ロンブー淳 人生満点じゃない理由は日光東照宮?
第16回ーー奥田民生は「おじさん」をユニコーンの武器にした