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デクセリアルズは2021年11月11日、高い熱伝導率と柔軟性を両立した熱伝導シート シリコーンタイプ「ZX11N」を製品化し、販売を開始した。長期信頼性に優れ、長期間の使用でも劣化や性能低下が少ない。

発熱するICチップと放熱を担うヒートシンクなどの間を埋めて密着させ、熱を効率的に逃がすために用いられる熱伝導シートには、高い熱伝導率と、密着/段差吸収のための柔軟性が求められる。しかし、高い熱伝導率を持つ材料(フィラー)を多く使用するとシート全体が固くなる。

ZX11Nは、こうした課題を解決。熱伝導シート 炭素繊維タイプで培った独自の配向技術を用い、向きによって熱伝導率が異なる窒化ホウ素フィラーを整列させて配置することで、高い熱伝導率を持つ。使用するフィラーの量も少なくでき、熱伝導率11W/m・Kの高い熱伝導率と、優れた柔軟性(硬度)55(Shore OO、ASTM D2240)を両立している。

また、フィラーとして長期的に安定な特性を持つ窒化ホウ素を用いることで、熱伝導シート全体として、長期間の使用でも劣化や性能低下が少なく、高い信頼性を保持する。長期信頼性が求められる通信基地局やデータセンター、自動車などのICチップの放熱用途に適している。

基材のシリコーンと、フィラーの窒化ホウ素の両方が絶縁特性を持つため、シート全体で絶縁破壊電圧7AC KV/mm (ASTM D149) という高い絶縁特性を保持しており、ICチップ周辺の端子への接触に配慮せずに使用できる。また、欧州の環境規制であるRoHS指令に適合。製品全体としてハロゲンフリーとなっており、環境に配慮している。

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プレスリリース
物理の視点を武器に、顧客のニーズに沿った高性能な反射防止フィルムを世界の自動車に届ける——デクセリアルズ 加藤裕司氏

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