自民党の派閥に緊張感が出てきた。衆院選で人数を減らした各派が新人らの囲い込みを加速しているうえ、最大派閥の細田派は安倍晋三元首相が会長に就任して「安倍派」となり、旧竹下派も茂木敏充幹事長の「茂木派」に衣替えする見通しとなるなど、党内力学の変化が見られるのだ。中国の軍事的覇権拡大が進むなか、岸田文雄首相(総裁)が閣僚人事で独自色を発揮したことで、党内の歪みも指摘される。新政権が抱えた「対中姿勢」と「経済政策」という爆弾。自民党はかつて、派閥同士の政策論争や権力闘争が活力を生んできたが、本格的な派閥抗争に発展するのか。