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アーリーステージのベンチャーキャピタルファームWork-Bench(ワークベンチ)が発表した新しいレポートによると、みなさんがすでにご存知の通り、女性が創業したスタートアップは、資金調達のパイ全体の中でほんのひと握りしか得られていない。しかも、Work-Benchが投資を行うことが多い企業では、その割合ははるかに悪いものとなっている。

PitchBookやCrunchbaseのデータ、そしてWork-Benchの調査によると、資金提供を受けているスタートアップの25%以上に少なくとも1人の女性創業者が含まれていたが、法人向けソフトウェア企業に限ってみると、その数は1.9%にまで激減する。

実は、この数字がほとんど意味をなさないことは、調査によって証明されている。報告書の著者は「女性が率いるチームは、男性が率いるチームに比べて、35%高い投資利益率を生み出すことが研究で示されている」と述べている。

しかし、格差はまだ続いている。

Work-Benchの共同創業者でゼネラルパートナーのJessica Lin(ジェシカ・リン)氏は、会社を設立した動機の1つとして、企業レベル、スタートアップの創業者、そして特に財布の紐を握っているVC企業において、女性の代表が根強く不足していることを挙げている。

Work-Benchはまず、女性創業者のデータベースを構築することから始めた。4年かけて作成し、定期的に更新している。このデータベースは一般公開されている。「行動を変えるにはデータも必要だと私はいつも言っています」とリン氏は筆者に語った。

今回のレポートは、そのデータを活用して、投資家に問題の深刻さを示し、時系列で進捗状況を追跡することを目的としている。その中でも同氏は特にWork-Benchが事業を展開している企業にフォーカスしたかった。というのも、その分野のデータが明らかに不足していたからだ。

「私たちが『レポートにまとめよう』と言ったのは今回が初めてです。ですから、1年後には2%以下だった数字が3%になっていることをお伝えしたいですね。しかし、どこかに基準を設けなければなりませんでした」とリン氏は話す。

数字は小さいが、資金提供を受けたスタートアップ企業に女性がより多く参加している分野がいくつかある。圧倒的に多いのは「HR/未来の仕事」で35.1%、次いで「データ/AI/機械学習」が19.8%「営業・マーケティング」が12.2%となっている。

画像クレジット:Work-Bench

女性はさまざまな課題に直面している。まず第一に、大手テック企業でリーダーシップを発揮する女性がまだ少ないことだ。より多くの女性がより高い給料の仕事に就けば、メンターとしての役割を果たすだけでなく、エンジェルラウンドに参加して、女性主導のスタートアップを増やすことができるかもしれない。

Idit Levine(アイディット・レヴィーン)氏は、クラウドネイティブソフトウェアを提供するスタートアップSolo.ioを経営している。同社は最近、10億ドル(約1133億円)の評価額で1億3500万ドル(約153億円)のシリーズC資金を獲得した。資金調達の際にレヴィーン氏が筆者に語ったように、同氏はテック業界の形骸化に不満を抱いている。

私は女性だからといって、このような割引をして欲しいと頼んだことはありません。実際、それが苛立たしいこともありました。あなたが女性だから、話をしたい。むかつきました。私が優秀だからこそ、私に話をしたいのです。

しかし、多くの女性にはレヴィーン氏のような自信はない。New StackはKubeConで行われた最近のパネルについて報じていて、パネルでは女性グループがクラウドネイティブテクノロジーの分野で過小評価されているグループとして直面する障壁について語った。パネリストの多くは、明らかにスキルや能力を持っているにもかかわらず、自分の居場所がないように感じてしまう「インポスター症候群」という、過小評価されているグループに共通する感情を明らかにした。

コロンビア州ボゴタにあるADL Digital LabsのSREテクニカルプログラムマネージャーであるYury Roa(ユリー・ロア)氏は、6月にTechCrunchに掲載された4人の女性エンジニアの体験談の中で、インポスター症候群が技術分野の女性にとって真の障害になり得ると語っている。

部屋の中で唯一の女性であることに関連する私たちの障壁の1つは、インポスター症候群(につながる可能性があること)です。なぜなら、同症候群は唯一の女性や少数の女性の1人であるとよくあることで、私たちにとっては本当に難しいことです。このような場合には、女性を含むロールモデルやリーダーシップを持つことが非常に重要になります。

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Work-Benchは、システムにおける不公平さを示すデータを提供することで、大きなインパクトを与えようとしている小さな会社だ。リン氏がいうように、データは変化をもたらすものだが、この数字を動かすためには、本格的なシステムの変革が必要だ。そのためには、より多くの女性が幹部として昇進し、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルとして投資を行う必要がある。

そうして初めて、真の意味で針を動かすことができる。なぜなら、1.9%では十分ではないからだ。まったく十分ではない。

画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi