中国で企業が製品を出荷する際の値動きを示す指数は先月、石炭価格が値下がりしたことなどで上昇幅が2か月連続で縮小しましたが、依然、高い水準が続いています。
中国の国家統計局によりますと、企業が製品を出荷する際の値動きを示す生産者物価指数は、先月、前の年の同じ月と比べて10.3%上昇しました。
上昇幅は前の月と比べて2.6ポイント縮小し、2か月連続の縮小となりました。
これは国内で相次いだ電力不足に対応するため、石炭が増産されて価格が値下がりしたことや、不動産業界の不振を受けて鋼材やコンクリートなどの建築用資材の需要が低調となり、価格が下がったことなどが要因です。
ただ、上昇幅は、依然として記録的な高水準が続いているほか、去年1年間でも8.1%のプラスと、26年ぶりの高水準となり、企業の経営を圧迫する懸念が根強く残っています。
一方、合わせて発表された家庭で消費するモノやサービスの値動きを示す消費者物価指数は、先月、前の年の同じ月と比べて1.5%のプラスとなり、上昇幅は前の月から0.8ポイント縮小しました。
野菜などの食品やガソリンが値下がりしたことが主な要因ですが、国内の一部で新型コロナウイルスの感染が広がった影響で、宿泊業で価格が低下するなど、個人消費が依然として力強さを欠いていることがうかがえます。