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ムーさんはじっと聡子の目を見つめた。 受付から走ってくる役者の足音が近くなる。 「……あのさ、一歩って書いて『かずほ』ってどうだろう?」 「かずほ……。武藤一歩」 繰り返す聡子の顔にゆっくりと笑みが広がる。その瞬間、横を役者が走り去っていった。 「カット!」 拍手が湧き起こったわけでも…