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官房長官として新元号を発表する菅義偉氏。「令和おじさん」と呼ばれるように=平成31年4月1日、首相官邸(古厩正樹撮影)
官房長官として新元号を発表する菅義偉氏。「令和おじさん」と呼ばれるように=平成31年4月1日、首相官邸(古厩正樹撮影)

菅義偉(すが・よしひで)首相の自民党総裁としての任期満了が9月末に迫り、「ポスト菅」を伺う議員たちの動きが顕在化してきた。かつて田中角栄氏は総裁(首相)の条件として「党三役(幹事長、総務会長、政調会長)のうち幹事長を含む2つ、蔵相(現財務相)、通産相(現経済産業相)、外相のうち2つ」を挙げた。だが、これももはや昔日の感がある。今は田中氏が挙げなかった官房長官の経験者が総裁の新たなキャリアパスとなりつつある。

この条件を挙げた田中氏は政調会長、蔵相、幹事長、通産相を歴任し、首相に上り詰めた。田中政権後の三木武夫、福田赳夫、大平正芳の3氏もこの条件を満たし宰相の座を射止めた。ちなみにこの条件を満たす現職議員は、元首相の麻生太郎副総理兼財務相ぐらいしか見当たらない。

平成に入り就任した宇野宗佑氏から菅氏まで政権の座に就いた自民党総裁は12人(安倍晋三氏は2回)。このうち官房長官を務めたのは宮沢喜一氏、小渕恵三氏、福田康夫氏、安倍晋三氏、菅氏の5人に上る。蔵相・財務相は2人、通産相・経産相は4人、外相は4人となっており、官房長官経験者が最も多くなっている。

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