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【A】まずは対応するWi-Fiの規格を確認しよう

 Wi-Fiは規格によって通信速度が大きく異なります。2021年10月時点において、Wi-Fiの最新規格となっているのは「Wi-Fi 6」などとも呼ばれる「IEEE 802.11ax」であり、理論上の最大通信速度は9.6Gbpsに達します。

 一方、1世代前の「IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)」は6.9Gpbsであり、2世代前の「IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)」では600Mbpsに留まります。

 このように通信速度が大きく異なるため、Wi-Fiルーターを購入する際には対応するWi-Fiの規格をしっかりチェックしましょう。

 ただ、同じIEEE 802.11ax対応であっても、Wi-Fiルーターによって最大通信速度は異なります。具体的には、5GHz帯を利用したWi-Fi接続で約4.8Gbpsの通信速度をサポートしている製品がある一方、製品によっては同じ5GHz帯での接続でも最大通信速度が約1.2Gbpsのものもあります。

 そのため、実際にWi-Fiルーターを購入する際には、対応するWi-Fiの規格だけでなく、最大通信速度も確認すべきです。

 また、Wi-Fiルーターによって処理能力は異なるため、推奨接続台数も製品によって違います。特にWi-Fiルーターに接続するデバイスの数が多い場合は、推奨接続台数もチェックしたいところです。

幅広い範囲で安定した通信を可能にする「メッシュWi-Fi」

 自宅が広く、場所によってWi-Fiの電波が届かなかったり通信速度が極端に低下することがあるといった場合は「メッシュWi-Fi」と呼ばれる製品の導入を検討してもよいでしょう。

メッシュWi-Fiに対応したネットギアの「Orbi AX6000」。メインとなるWi-Fiルーターと、別の場所に置くWi-Fiアクセスポイント(サテライト)のセットで販売されている

 メッシュWi-Fiとは、複数のWi-Fiアクセスポイントを利用して電波が届く範囲を拡大する技術です。このメッシュWi-Fiを利用し、例えば1階にはメインのWi-Fiルーターを設置しつつ、2階に「メッシュ中継器」や「サテライトルーター」などと呼ばれるWi-Fiアクセスポイントを置くことで、1階と2階のどちらでもWi-Fiを使って安定して通信することが可能になります。

 単純に電波を増幅する「Wi-Fi中継器」と呼ばれる製品を利用する方法もありますが、その場合は場所に応じてSSIDを手動で切り替える必要があります。

 しかし、メッシュWi-Fiには、自動的に最適なWi-Fiルーター、あるいはアクセスポイントに接続する「ローミング」と呼ばれる機能があり、SSIDを切り替える必要はありません。

 メッシュWi-Fiの環境を整えると、Wi-Fiルーターを1台だけ設置する場合よりもコストは大きくなりますが、「1階では安定して通信できるのに、2階に行くと通信が途切れることがある」などといった不満がある場合は検討する価値があるでしょう。

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