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11、12両日に行われた新型長距離巡航ミサイルの発射実験とみられる写真。朝鮮中央通信が13日配信した(朝鮮中央通信=共同)
11、12両日に行われた新型長距離巡航ミサイルの発射実験とみられる写真。朝鮮中央通信が13日配信した(朝鮮中央通信=共同)

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は13日付の記事で、国防科学院が11、12日両日、新たに開発した新型長距離巡航ミサイルの試験発射に「成功」したと報じた。ミサイルは2時間6分20秒飛行し、1500キロラインの標的に命中したとしている。北朝鮮がミサイル実験を公表するのは、3月25日に弾道ミサイル2発を日本海に発射して以来。

今回の試射では、楕円(だえん)や8字型飛行軌道に沿って飛行し、新開発したエンジンの推進力や飛行操縦性に加え、誘導命中正確性も「設計上の要求事項を全て満たした」としている。

飛距離が1500キロなら日本の大半の地域が射程に収まり、日本への軍事的脅威が高まったことになる。

記事は「わが国の安全を一層保障し、敵対的な勢力の軍事的動きを強力に制圧するもう一つの効果的な抑止手段を保有する戦略的意義を持つ」と強調しており、米国に対抗した軍備の増強を内外に誇示する狙いとみられる。

一方で、巡航ミサイルの試射は、弾道ミサイルと違って国連安全保障理事会決議では禁じられていない。今回の実験は北朝鮮の領土、領海上空で行ったともしており、国際社会への刺激を抑えつつ、米国の出方を探る思惑もうかがえる。

ただ、北朝鮮は8月の米韓合同軍事演習に強く反発し、対抗措置を示唆してもおり、今後、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射など、さらなる軍事的挑発に踏み出す可能性も否定できない。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記は立ち会わなかったもようで、試射を参観した朴正天(パク・チョンチョン)党書記は「国防部門が成し遂げた画期的な成果だ」と称賛し、「国の防衛力、戦争抑止力を強化する事業に一層邁進(まいしん)すべきだ」と述べた。

北朝鮮は今回のミサイルについて、1月の党大会で提示した軍備上の5カ年計画の重点目標達成で大きな意義がある戦略兵器と位置づけている。

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