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 関東大震災の災害記録本、『大正大震災大火災』(大日本辧會・講談社、1923年刊)を読んでいて、地震とはまったく違う大発見があった。巻末にギクリとする本の出版案内があり、「急遽八百三十版發賣」というキャッチが目に入った。『人肉の市』(大正10年、大日本辧會刊)という本だ。版を850回も重ねた大ベストセラーが大正時代にあったとは驚きだったが、見出しにはさらに驚いた(以下、旧字は新字に置き換えた)。