風評被害を生む誤情報の削減に、ぜひともご協力をお願いいたします.(連絡先:inishiya@komajo.ac.jp)
駒沢女子大学でキウイフルーツ等マタタビ属果実の成分についての研究を行っている西山一朗と申します。この度は、突然面識のない者から「貴サイトのコンテンツあるいは貴動画の内容の見直しをお願いしたい」という依頼があり、さぞご不快なことだったかと存じます。これには以下のような事情がございますので、ぜひ状況をご賢察の上、誤った情報の拡散抑止と正しい情報の拡散にお力を賜りたくお願い申し上げます。
2015年7月以来、「キウイフルーツ果実に光毒性をもつソラレンが多く含まれる」という虚偽の情報が、ネット上に多数見られるようになりました。これは、2011年11月11日に三空(みく)出版から刊行された「白ツヤたまご肌のつくりかた」という書籍に記載された根拠のない情報を、2015年7月27日にTBSのバラエティ番組である「世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?」が、その真偽も確認せずに拡散させたことによるものです。
三空出版はすでに公式ホームページ上で「根拠がなかったので訂正削除する」とするお詫びと訂正を告知しています。
また、TBSおよびその後同様の内容を放送した日本テレビ、テレビ朝日も、根拠がなかったことを認め、すでにその内容をホームページから削除しております。この経緯はこちらをご参照願います。
さらに、キウイフルーツ果実の果肉からも皮からも、ソラレン、5-メトキシソラレン、8-メトキシソラレン等の光毒性物質は、まったく検出されないことが、科学的に実証されています。(このサイトから、論文の全文がPDFファイルでダウンロード可能です。)
その他、次のようなサイトもご参照願います。
女子SPA! 拡散する「朝に食べたらNGな果物」の大ウソ。踊らされないで!
Wikipedia「キウイフルーツ | ソラレンを含むというデマについて」
かつてはネット上の500~600ほどのサイトに「キウイにソラレンが含まれる」と記載されておりましたが、多くのサイト運営者様のご協力を得て、この誤情報を記載するサイトは100サイトほどに減少しております。しかしながら、この誤った情報をもとに、新たなサイトがこの誤情報を拡散する例も後を絶ちません。
キウイフルーツはフルーツの中でビタミンC含量がトップです(アセロラやグァバ等の生果が市販されていないものを除く)。そしてソラレンは含まれていません。シミ・ソバカス対策には最適なフルーツと言えます。にもかかわらず、ありもしないソラレンを恐れてキウイフルーツを食べることをためらう人が多いという、不幸な現状があります。キウイフルーツの生産・流通・販売に関わる者にとっても、またビタミンCの優れた供給源としてこれを消費する者にとっても有害で、だれにも利益のないこの誤情報を削減するために、ぜひお力をお貸し願いたく存じます。