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TechCrunchチャイナ・ラウンドアップへようこそ&おかえりなさい。今週も中国テック業界の近況と世界の人々に与える影響ついてお送りする。

中国政府による新たなゲーム規制の執行はイタチごっこの様相を見せている。同国のインターネット巨人と若きプレイヤーたちは常に相手を出し抜こうと伺っている。Didi(ディディ、滴滴出行)アプリが禁止された後、中小ライドシェアリング・アプリ各社は市場の真空地帯を狙っている。

Tencentと若きゲーマーたち

中国のことわざ「ポリシーのあるところに対抗策あり」は、この国のビデオゲーム環境の規制強化で今起きていることをうまく言い表している。2021年9月、中国は低年齢ユーザーのゲーム時間に関して過去に類を見ない最も厳格なルールを制定した。18歳未満のプレイヤーたちは騒然となり、週3時間の割当てを打開する方法を必死に探し始めた。

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数日のうちに、ゲーミングの巨人、Tencent(テンセント、騰訊)は、一連の回避策を一掃する行動を起こした。同社は未成年プレイヤーへの成人アカウントの販売あるいは取引を行う20以上のオンライン・サービスに対して訴訟あるいは声明を発行したことを、今週同社のゲーミング部門がWeibo(微博)に関する発表の中で語った

子どもたちはそのアカウントを2時間当たり数ドルで借りることで通常の年齢確認を行わずにゲームをプレイできる。この手のサービスは「実名ゲーミング・システムと未成年保護の仕組みにとって深刻な脅威」であるとTencentは語り、一連の慣行を中止するよう要請した。

教育的ゲーム

中国政府は中毒を誘発するゲームや、未成年者にとって「身体的および精神的に有害」と考えられるゲームを主な標的としている。しかし「子どもたちにとって良い」ゲームはどうなのか?

TencentとRoblox(ロブロックス)が2019年に中国でジョイントベンチャーを設立した時世間は、クリエイターに焦点を絞ったゲーミングプラットフォームがTencentが教育ゲームを制作して創造性をかきたてたり、テクノロジーをもっと社会を良くするために使うように、という政府の要請との整合性を高める後押しになるだろうと推測した。TechCrunchは以下のように報じている。

Robloxの「創造性」の奨励に焦点を当てたマーケティングは、テック企業は「良いことを行うべし」というTencentが応じた中国政府の要請と調和していると考えられる。Robloxの中国語ウェブサイトは、同社のビジネスには学習とSTEMツールがあり、地域の学校と教育者との協調も計画していると謳っている。

もしRobloxが、若き中国人たちに世界的な人気ゲームをデザインするよう喚起することができるなら、中国当局は同社を中国文化とソフトパワーの輸出ルートとみなすようになるかもしれない。ゲーミング業界は、政府の関心と一致することが国の支援を受けるために必要であることを十分認識している。実際、ゲーム業界を始めとする非政治的団体による政治的、社会的な重要問題に関する提案を支援をするための組織である中国人民政治協商会議のあるメンバーは、ビデオゲームは中国文化輸出の有効な手段であると6月に語った。

Robloxのこの事例は、ゲームの教育および輸出目的利用に対する中国政府の姿勢の変化を見る興味深い題材だ。

Didiへの挑戦

Didiには数年来多くのライバルがいるが、中国ライドシェアリング業界における同社の支配を脅かすものは現れていない。しかし最近、一部のライバルたちは、当局がサイバーセキュリティの懸念からDidiアプリの新規ダウンロードを禁止した後、新たなチャンスを見出そうとしている。Cao Cao Mobility(曹操出行)はその1つだ。

Cao Caoは中国の自動車メーカー、Geely(吉利汽車)傘下の高級ライドシェアリングサービスで、今週5億8900万ドル(約647億6000万円)のシリーズB調達ラウンドを発表した。このラウンドは、Cao Caoがドライバーと乗客の支持を得るための武器を与えるはずだ。しかし、政府による反競争取締りが強化される中、昨今のインターネットプラットフォームは、2015年頃のDidiほど資本注入による成長フェーズに熱心ではないかもしれない。

アプリの禁止がDidiに与えた影響は今のところ限定的だ。むしろアプリによる注文は7月に13%増加したことを運輸局のデータが示している。新たにスマートフォンを手に入れた人はDidiをダウンロードできないが、それでもWeChatで動くミニアプリを使うことができる。WeChatは中国で広く普及しておりサードパーティーアプリのエコシステムを広げている。Didiがアクティブユーザーを何人失ったのかはわかっていないが、同社のライバルが巨人のドライバーと乗客を誘う多額のインセンティブを払うわなくてはならないことは間違いない。

DTCファストファッション

ベンチャーキャピタリストたちは中国のDTC(消費者直接販売)ブランドに資金を注入しており、この国のサプライチェーンの優位性と抜け目ないマーケター集団が欧米消費者を取り込むことに期待している。7月に、ベビー服ブランドのPatPat(パットパット)は5億1000万ドル(約560億7000万円)の大型調達を完了した。2021年9月、Z世代ファストファッションを中国で生産して米国で販売している新進気鋭のDTCブランド、Cider(サイダー)が、シリーズBラウンドで1億3000万ドル(約142億9000万円)を調達し、企業価値は10億ドル(約1099億5000万円)以上だったというニュースがやってきた。中国のテックニュースサイトである36Krが最初に報じ、TechCrunchも独自に確認した。

DST GlobalがCiderの最新ラウンドをリードし、既存の出資者であるA16Z(アンドリーセン・ホロウィッツ)とGreenoaks Capital(グリーンオークス・キャピタル)も参加した。投資家たちはShein(シェイン)の世界中での勢いにはっきり勇気づけられている。同社の新規ダウンロード数は数十の国々でAmazonを超え、業界の巨人Zara(ザラ)と比較されることも多い。純粋なインターネット企業と異なり、輸出志向のEコマースには、デザインから、製造、マーケティング、出荷からアフターサービスまで長くて複雑なバリューチェーン(価値連鎖)があることで知られている。Sheinの物語は多くのフォロワーを元気づけるだろうが、簡単には真似できない。

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画像クレジット:Visual China Group / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook