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ビジネス教育は、率直に言って、3兆ドル(約340兆円)規模の世界的なテクノロジー系スタートアップ経済の活況に追いつくことが難しい状況にある。高成長企業は時間に追われており、それらの経営者も同様だ。だが、彼らに提供される授業は長くて退屈なものも多く、その質もさまざまである。理想を言えば、ビジネス教育はもっとオンデマンドで、ターゲットを絞り、実践的で、バイトサイズ(ひと口で食べられるサイズ)であるべきだ。

つまり、それがFramework(フレームワーク)という企業の考え方の基本だ。同社は「オンデマンドのビジネススクール」を実現するために、200万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドを実施した。このEdtechプラットフォームによると、2022年のローンチに向けて、現在すでに2500人以上が予約リストに登録されているとのこと。

そのアイデアは次のようなものだ。Frameworkの会員は、Slack(スラック)、ASOS(エイソス)、Flo Health(フローヘルス)、Netflix(ネットフリックス)といった企業の技術管理者から、1単位15分の「フレームワーク」や、週に一度の「オフィスアワー」ライブセッションを通じて、直接学ぶことができる。メンバー同士で1対1のコネクションを作ることもできる。これは「snackable(間食のように、気軽に楽しめる)」なコンテンツと呼ばれたりする。

Frameworkは、欧州を中心とした世界のエリートテック系起業家のプライベートネットワークであるFounders Forum(ファウンダーズ・フォーラム)が作った9カ月間の「無料の代替MBA」と呼ばれるFounders Academy(ファウンダーズ・アカデミー)からスピンアウトした会社だ。

同社は、Learn Capital(ラーン・キャピタル)のシードファンドであるLearnStart(ラーンハート)、Evio(エヴィオ)、Atomico(アトミコ)やAda Ventures(エイダ・ベンチャーズ)のエンジェルプログラムからも支援を受けている。何人かのエンジェル投資家も参加しており、その中にはlastminute.com(ラストミニット・ドット・コム)やMADE.com(メイド・ドット・コム)の共同創業者であるBrent Hoberman(ブレント・ホバーマン)氏、Ada Health(エイダ・ヘルス)共同創業者のClaire Novorol(クレア・ノボロール)氏、Monzo(モンゾ)の元COOであるTom Foster-Caster(トム・フォスター・キャスター)氏、Lendable(レンダブル)の共同創業者であるVictoria van Lennep(ヴィクトリア・ヴァン・レネップ)氏、NetflixのHRディレクターであるAaron Mitchell(アーロン・ミッチェル)氏などが含まれる。

Frameworkの共同創業者であるAsha Haji(アシャ・ハジ)氏は、次のように述べている。「私たちのミッションは、世界中のスタートアップやスケールアップのための頼りになる学習コミュニティを構築することによって、新世代のテックリーダーを育成することです」。

同じく共同創業者のRiya Pabari(リヤ・パバリ)氏は「有色人種の2人の女性創業者として、VCコミュニティからもっと注目されるべきなのに過小評価されている創業者たちのために、旗を掲げるチャンスでもあります」と付け加えた。

ハジ氏は電話で私にこう語った。「長時間式の学習は、スタートアップ企業で働くほとんどの人にとって、時間的な負担が大きいために利用できません。私たちがやっているのはマイクロラーニングです。本当に毎日やること、実践的な質問をすることが大事です。コンテンツだけでなく、コミュニティも充実しています。お互いに1対1で関わることができます」。

Founders Forumの共同設立者であり、Frameworkの投資家でもあるブレント・ホーバーマン氏は次のように述べている。「Frameworkのバイトサイズのレッスン、実用的なチートシート、魅力的なコミュニティ機能は、業界が待ち望んでいたモダンな学習プラットフォームであり、リヤとアシャはそれに命を吹き込む強力なコンビです」。

画像クレジット:Framework / Framework founders, Riya Pabari and Asha Haji

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)