自民党の河村建夫元官房長官(78)=衆院山口3区=は13日、党本部から次期衆院選(19日公示)での出馬見送りを打診されたことを、山口市内で開いた後援会役員会で報告した。秘書で長男の建一氏(45)を比例代表で擁立することも同時に提案されたといい、河村氏は14日に態度を表明する見通しだ。
3区では自民の林芳正元文部科学相(60)も参議院からのくら替えを目指して立候補を表明し、保守分裂選挙の可能性が高まっている。13日も遠藤利明選対委員長が河村、林両氏と個別に面会し、選挙情勢について意見を聞くなど詰めの調整が続いた。
複数の後援会参加者によると、提案への対応は河村氏に一任された。後援会幹部は「林氏の言い分が党本部に通ってしまった」と肩を落とした。一方、林氏陣営の幹部は「地域のことを考えると、保守分裂は絶対に避けた方が良い。我々としては選挙をしっかりやるだけだ」と話した。
公認候補の予定者となる3区の支部長は現職の河村氏だが、県議を中心に林氏を推す声が強い党県連は、林氏を公認するよう党本部に申請した。
3区では立憲民主党の新人、坂本史子氏(66)も出馬する見込み。【林大樹、柳瀬成一郎】