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先日ドコモ、au、楽天モバイルから一般発売されたシャープの最新ミッドレンジモデル、AQUOS sense6。

過去モデルの発売時と比べるとイマイチ盛り上がりに欠けるといった印象ですが、それもそのはず。
このAQUOS sense6はドコモ版が前モデルに相当するAQUOS sense5Gと比較してかなりの価格アップ。

さらに同じ2021年秋冬として2万円台のarrows Weの発売が控えている、ということも「買い控え」の要因となっている模様です。

AQUOS sense6とarrows Weの価格比較

ご覧のように、少なくともドコモにおいてAQUOS sense6の価格はarrows Weの約2.7倍。エントリーモデルからミッドレンジ狙いのユーザーにとってはかなり大きな価格差です。

AQUOS sense6とarrows Weのスペック比較・主な違い

  AQUOS sense6 arrows We
ディスプレイ 6.1インチ
フルHD+(2432×1080ドット)
比率約20.3:9
IGZO OLED 有機EL
水滴型ノッチ
120Hz駆動
5.7インチ
HD+(1480×720ドット)
比率18.5:9
TFT液晶
水滴型ノッチ
OS Android 11
SoC(プロセッサ) CPU: Snapdragon 690 5G オクタコア (4×2.0GHz+4×1.7GHz) CPU: Snapdragon 480 5G オクタコア (2.0GHz+1.8GHz)
5G 対応(sub6のみ)
RAM 4GB
ストレージ 64GB
外部メモリー microSDXCカード(1TB)
耐衝撃機能 MIL-STD-810H MIL-STD-810H
アルコール除菌可
生体認証 画面下指紋認証
顔認証内に設置)、顔認証
指紋認証(背面)
背面/アウトカメラ 48MP(標準)+8MP(広角)+8MP (望遠) 13.1M(広角)+1.9MP (マクロ)
前面カメラ 8MP 5MP
Wi-Fi IEEE 802.11 a/b/g/n/ac
FeliCa おサイフケータイ対応
Bluetooth 5.1
ワンセグ/フルセグ 非対応
バッテリー容量 4570mAh 4000mAh
防水・防塵機能 IPX5/IPX8、IP6X
3.5mmイヤホンジャック 搭載
コネクター USB Type-C
70mm 71mm
高さ 152mm 147mm
厚さ 7.9mm 9.4mm
重さ 156g 172g
カラー ライトカッパー
ブラック
シルバー
ブルーメタリック(ドコモ)
ホワイト
ネイビー(ドコモ)
パープル(ドコモ)
レッド(ドコモ)オンラインショップ限定)
ブラック(au&SB)
ローズゴールド(au)
ターコイズ(SB)

主な違いとしてはディスプレイ、CPU、そしてカメラといったところ。

AQUOS sense6のFHD+とarrows WeのHD+とでは動画視聴などでは画質に結構大きな違いが出る可能性が出そうですが、HD+はバッテリー消費という点では利点も。

また、AQUOS sense6は標準、超広角、望遠というオーソドックスなトリプルカメラ仕様ですが、arrows Weは標準+マクロなので、そういった意味ではシングルカメラに近い仕様。
そのため両者のカメラ性能には大きな違いが出る可能性も。
ただ、Pixelシリーズのカメラが良い例で、スマホで撮影した写真の画質はカメラのハードよりもソフトに依存する傾向が強いので、断言はできません。

また、いずれにしてもミッドレンジレベルのカメラ性能であることには変わりはなく、ミッドレンジやエントリーモデルに高画質な写真は求めない、というユーザーも一定数はいると思います。

そして最後の大きな違いとしては搭載チップ。
AQUOS sense6はSnapdragon 690 5Gを、arrows WeはSnapdragon 480 5Gを搭載しており、これによる両者の性能差は一番気になるところではないでしょうか。

AQUOS sense6とarrows Weのベンチマーク性能比較

名称からもわかるようにSnapdragon 690はSnapdragon 480の上位チップですが、リリース時期ではSnapdragon 480の方が半年以上後。つまり、半世代分ほど性能面でアドバンテージがあります。

というわけで、まずはAQUOS sense6のGeekbenchにおけるベンチマークスコアを見てみると:

ご覧のようにAQUOS sense6のベンチマークスコアはシングルコアの平均が500ポイント台後半、マルチコアが1600ポイント台後半といったところです。

一方、SD480搭載のarrows Weについては12月発売ということもあり、まだベンチマークスコアは未発見。

ただ、notebookscheckのデータベースによるとSD480のGeekbenchスコアは:

ソース:notebookcheck

SD690搭載のAQUOS sense6のスコアと比べてシングルコアでは1割以上の差がありますが、マルチコアでのスコア差は誤差の範囲、といったところ。

SD690搭載モデルとSD480搭載モデルでスコア差がここまで小さいというのは結構意外。
少なくともベンチマーク上でのAQUOS sense6とarrows Weの性能差は搭載チップの違いからするとかなり小さいとみてよさそうです。

AQUOS sense6とarrows We、2.7倍の価格差は妥当?

ベンチマークスコア差は別にして、他の面でAQUOS sense6とarrows Weに「それなり」のスペック差があることは事実。

また、特定ブランドの好き嫌いなど、物の価値観は千差万別で、一概にどの機種にどれほどの価値がある、とはいえません。

ただ、細かなスペックやブランド価値に関心がなく、「そこそこ普通に使えればいい」という一般的なユーザーにとって2台買えておつりがくるレベルの価格差、というのは購買判断においてかなり大きなファクターとなりそうです。