オミクロン株への対応をめぐり岸田総理大臣は、感染が急拡大した場合にも社会機能を維持できるよう、濃厚接触者が宿泊施設などで待機する期間の短縮を検討する考えを示しました。
オミクロン株に感染した人の濃厚接触者について政府は、宿泊施設などで14日間待機するよう求めていますが、医療関係者などからは、オミクロン株の特性に応じて、期間の短縮などを求める声が出ています。
岸田総理大臣は東京都内で記者団に対し「オミクロン株はまだ分からない部分も多く、柔軟な対応が必要だ。専門家からも、感染が急拡大した場合に、社会機能の維持が困難にならないよう、工夫していかなければならないという指摘もいただいている」と述べました。
そのうえで「濃厚接触者の隔離期間なども必要に応じて具体的にどうあるべきか、柔軟な対応を検討していく」と述べ、待機期間の短縮を検討する考えを示しました。
一方、岸田総理大臣は、医療機関の負担を軽減するため、新型コロナの感染症法上の扱いを現在の「二類相当」から季節性のインフルエンザと同じ「五類」に引き下げる考えがあるか問われ「感染が急拡大している状況の中で、変更は現実的ではない」と述べ否定的な見解を示しました。
松野官房長官「対応の検討急ぐ」
松野官房長官は、午前の記者会見で「オミクロン株はデルタ株などと比較して、潜伏期間が短いとの報告が諸外国の研究でなされている。濃厚接触者の隔離期間などは、科学的知見の集約をするなど対応の検討を急いでいる」と述べました。
また、オミクロン株の重症化リスクについては「国立感染症研究所などでリスク評価が行われており、こうした評価や国内外の科学的知見に基づき、今後も対策を検討していきたい」と述べました。
公明 山口代表「早急に具体的な決定を」
公明党の山口代表は党の中央幹事会で「濃厚接触者として活動できない医師や看護師が増え、この状況が広がるとエッセンシャルワーカーに影響が及び、社会活動が大きく制約を受けることになる。党として待機期間を短くするよう提案したので、政府は真摯(しんし)に受け止めて具体的な決定を早急に出してもらいたい」と述べました。
また、3回目のワクチン接種について「集団接種や大規模接種を活用しながら加速したいという現場のニーズがあるが、いつ、どのぐらいの量のワクチンが配布されるかを確認しないと自治体も具体的な対応が取りにくい。効率的に接種を進めることが最も重要なことなので、政府・与党あげて取り組みをしっかり行っていきたい」と述べました。