近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、奈良県食と農の振興部、株式会社アグリスタ(埼玉県川口市)、いちごの縁F(奈良県生駒市)との産官学連携により、学内のICT設置温室で栽培した「近大ICTイチゴ」を、令和4年(2022年)1月19日(水)に初収穫することを発表した。
これは、同学が奈良県と覚書を取り交わした「農の入口」モデル事業の一環として行われ、今後、販売を通して得られた市場評価などのデータを分析し、より良い栽培法の確立に役立てていく。
「近大ICTイチゴ」収穫イベントについて
- ICT(情報通信技術)設置温室で栽培した近大ICTイチゴを初収穫
- 農業分野の一連の過程にICTを導入することで、安全かつ安心な農作物を消費者に提供することを目指す
- 学生は最先端農業を実践し、栽培から販売までの一連の過程を学ぶ
近畿大学奈良キャンパスにあるICT設置温室では、農学部農業生産科学科の学生が中心となり、株式会社アグリスタの液肥を活用したイチゴの栽培試験を行っている。
現在、農業参入に関心のある農学部学生・院生約20人が、いちごの縁Fの指導のもと、イチゴの定植から収穫までの栽培ノウハウを学んでいる。
今回、収穫時期を迎えた「近大ICTイチゴ」(品種:章姫)を、学生が初めて収穫し、イチゴの試食・食味評価を行う。
今後も、産官学連携で、なら近大農法を利用した他品種イチゴの栽培を県内で展開していくとともに、市場評価をふまえて、さらに高品質な栽培が可能となるよう、なら近大農法の向上に取り組んでいく。
日時
令和4年(2022年)1月19日(水)13:30~15:00
場所
近畿大学奈良キャンパス ものづくり村 ICT設置温室(奈良県奈良市中町3327-204、近鉄奈良線「富雄駅」からバス約10分)
内容
近大ICTイチゴの試食・食味評価
参加者
農学部農業生産科学科学生・大学院農学研究科院生約20人、株式会社アグリスタ、いちごの縁F
背景
近畿大学農学部は、少子高齢化に伴う農業従事者の減少、「休耕地」や「耕作放棄地」の増加といった社会問題を解決するため、平成29年(2017年)9月に、奈良県と「農の入口」モデル事業に関する覚書を取り交わし、奈良県と連携して「なら近大農法(ICT農法)」の確立をめざして取り組んでいる。
令和元年(2019年)には、近畿大学、株式会社農業公園信貴山のどか村、三郷町、大和信用金庫の産官学金連携で、総務省の「地域経済循環創造事業(ローカル10,000プロジェクト)」に採択された。
また、令和2年(2020年)には近畿大学と三郷町が包括連携協定を締結し、同年4月から、農業公園信貴山のどか村(生駒郡三郷町)で「なら近大農法」を利用したメロンの実践栽培を行っている。
なら近大農法(ICT農法)とは
農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされているが、農作物の栽培に必要な温度調整など管理機能にICTを導入することによって農作業の自動化を実現し、農業初心者でも容易に栽培管理が可能となる。
土壌センサーと日照センサーを連動させた装置によって、作物に水分と液肥を自動的に供給。
これらの情報は蓄積され、スマートフォンなどで遠隔地でもデータを確認することができる。
また、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動しており、ハウス内の温度をほぼ一定に保つために自動的に開閉が行われる。
このような完全自動化肥培管理システムの導入により、農作業の時間を大幅に削減するとともに、水や液肥の低減が可能となり、収穫量の増加と品質の安定化へ繋がることが期待されている。
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