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香港で去年6月、天安門事件の犠牲者を追悼する無許可の集会に参加するよう市民を扇動した罪などに問われていた、新聞の創業者ら8人に対し、香港の裁判所は、禁錮4か月半から1年2か月の実刑判決を言い渡しました。

香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏や、解散した民主派団体の副代表、鄒幸※トウ氏ら26人は、去年6月、大勢の市民が天安門事件の犠牲者を追悼しようと公園に集まったことをめぐり、無許可の集会に参加するよう市民を扇動した罪などで起訴されました。

一部の被告は罪を認め、すでに有罪判決を受けましたが、黎氏と鄒氏、それに元記者の何桂藍氏の3人が最後まで罪を認めず「追悼することは罪にあたらない」などと主張していました。

裁判所は13日、黎氏に禁錮1年1か月、鄒氏に禁錮1年、それに何氏に禁錮6か月の、いずれも実刑判決を言い渡しました。

また、これまでに罪を認めた5人に対しても禁錮4か月半から1年2か月の量刑を言い渡し、これで海外に逃れた2人を除く24人全員が有罪となりました。

天安門事件の犠牲者を追悼する集会は、香港では30年以上にわたって毎年開かれ、1997年、香港が中国に返還されたあとも「集会の自由」を象徴する催しと受け止められてきましたが、去年とことしは新型コロナを理由に開催が禁止されました。

集会を主催してきた団体はその後、香港国家安全維持法違反の罪で起訴され、ことし9月に解散しています。

裁判所の傍聴席には大勢の市民が座り、被告たちに声援を送っていました。

※「トウ」は「丹」の右に「彡」