もっと詳しく
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

 

岸井ゆきのが主演を務める映画「ケイコ 目を澄ませて」が2022年に公開されることが決定した。

 

原案は元プロボクサー・小笠原恵子さんの自伝「負けないで!」。「きみの鳥はうたえる」で『映画芸術』2018年日本映画ベストテン1位に輝いた三宅唱が監督を務める。

 

生まれつきの難聴と付き合いながらプロボクサーとなった主人公・ケイコには、「愛がなんだ」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した岸井。プロボクサー役としてクランクインの約3か月前から厳しいトレーニングを行ったほか、劇中で使われる手話の練習など、入念な準備を行い撮影に臨んだ。

 

全身全霊で役を生きた岸井は「三宅監督も参加した3か月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした。本当の意味で一緒に戦ってくれたこと感謝します」とコメント。日々の練習にひたむきに向き合い、家族やトレーナーたちの思いに触れることで揺れ動くケイコの感情の機微を、言葉ではなくまなざしで表現する。

 

セコンドの指示もゴングの音も聞こえないケイコを受け入れ、再開発が進む下町で小さなジムを運営するトレーナー・笹木を演じるのは三浦友和。本作について「ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品」と太鼓判を押す三浦は、けんかするように力んでしまうケイコに根気強く指導を行いながらも、次第に視力を失っていくという難役に挑んだ。

 

三宅監督も「言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています」と自信をのぞかせるように、言葉では語りつくせない、確かな絆で結ばれたふたりの関係が、静かに描かれている。

 

また、笹木会長の妻役には仙道敦子。そしてジムのトレーナーとして三浦誠己と松浦慎一郎。その他、佐藤緋美、渡辺真起子、中村優子、中島ひろ子など実力派キャストが名を連ねる。

 

岸井ゆきの コメント

現場に入れば既に照明は美しく、撮影中は16mmのフィルムがカラカラと回る音だけが辺りを満たしていました。
この世界をスタッフの皆さんがいち早く捉えてくださり、支えてくれたから、私はただケイコとして存在することができました。
この作品はケイコの日常であると同時に、今を生きること、自分の人生をどう生きるのかという問いなのかもしれません。
三宅監督も参加した3か月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした。本当の意味で一緒に戦ってくれたこと感謝します。ああ早く見てほしい。それだけです!

 

三浦友和 コメント

特別な仕掛けも予定調和の起承転結もない。でもあっという間の99分。
音のない日常を生きる主人公のケイコの気持ちを、見た人間それぞれが自由に解釈してほしいと無責任に丸投げされることがない。
ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品だった。サンドバッグ、ミットを連打する音が強烈に耳に残る。
街の喧噪、人々の声。だがこの音はケイコには聞こえていないのだと気づくたびに、目にしている画面の風景が違った色に変化する。この作品には映画音楽がない。観客が耳を澄ませなければならない。

 

三宅唱監督 コメント

とても大切な映画が出来ました。ご自身の半生記「負けないで!」を書かれた小笠原恵子さんに深く敬意と感謝の意を表します。ありがとうございます。
また、岸井ゆきのさんと共にこの映画に取り組めたことを心から誇りに思います。彼女の信じがたいほどの勇敢さがなければこの映画は生まれていません。タイトルどおり、彼女はこの映画そのものです。そして、三浦友和さんはじめ全ての役者と全てのスタッフの、言葉では言い表せないほど澄んだまなざしもまた、この映画そのものです。全員の素晴らしい仕事にただただ魅了されました。書きたいことは山ほどあるのですが、なるべくまっさらな気持ちで皆さんに「発見」してほしいので、いったんこのあたりで我慢します。言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています。ケイコと多くの観客の皆様とが出会えますように。

 

作品情報

「ケイコ 目を澄ませて」
2022年公開

出演:岸井ゆきの
三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美
中原ナナ、足立智充、清水優、丈太郎、安光隆太郎
渡辺真起子、中村優子
中島ひろ子、仙道敦子/三浦友和

監督:三宅唱
原案:小笠原恵子「負けないで!」(創出版)
脚本:三宅唱、酒井雅秋
制作プロダクション:ザフール
配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/keiko-movie/
公式Twitter:@movie_keiko

©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS