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多数の中東からの難民がべラルスからポーランド等隣接国を通って、EU諸国に入ろうとして、べラルス―ポーランド国境に滞留し、非常な寒さの中で人道上の危機が起きていることは、CNNやBBC等が大きく報じているところですが、それら放送が報じている通り、この問題はこれまでにもEU周辺で生じていた、中東アフリカからの難民問題と合わせて、どうやらべラルスの大統領が難民をEUの制裁に対する道具として使っているという側面があるようで、べラルスを支持するプーチンの政策と合わせて、更に深刻な問題となりそうです(これら放送によると、ロシア空軍の核搭載可能爆撃機がべラルス上空をデモ飛行した由)

この問題は流石にアラビア語メディアもかなり大きく報じていますが、その中でもal jazeera net はトルコは、トルコ内でシリア、イラク、イエメン人がミンスク(べラルスの首都)行きの航空券を購入することを禁止し、またトルコの空港から、これらのアラブ人がべラルス行きの航空機に乗ることも禁止したと報じています。
これに対してEU人権委はトルコに感謝の意を表したよし。
 تصاعد أزمة اللجوء.. تركيا تمنع سفر 3 جنسيات عربية إلى بيلاروسيا وتدريبات عسكرية قرب حدود بولندا | أخبار سياسة | الجزيرة نت (aljazeera.net)

この問題は昨年春だったかに生じた、トルコとギリシャ間おシリア難民を巡る騒動(それまでトルコに滞在していたシリア難民がギリシャを通ってEUに入ることを制止していたトルコが、ギリシャとの対立からだったか、むしろギリシャ行きをけしかけるような態度に出て、大量の難民がギリシャに押しかけ、国際的にもおおきな問題となった事件。その後どうやらトルコとEU,ギリシャの話し合いで、大量難民の流入は止まっている模様)に類似しているように見えます。
然しギリシャの場合は、トルコからすぐ眼と鼻の先の島等で、中東やアフリカの難民がギリシャ側に渡ろうとするのはある意味、ごく自然なことでしょうが(なにしろトルコには300万からの中東難民がいて、トルコ経済の厳しさとも相まって、難民に対する目も冷たくなっている模様です)、べラルスなどという遠く離れた地から難民たちがEUを目指すというのは極めて不自然で、そこにはべラルス政府の何らかの作為があるかと思われます(上記放送では、これら難民の輸送を商売としている連中は、一人数千ドルの対価で、べラルスとポーランドの国境までの輸送をうけもっていると報じている)。
それにしても、かってはEUにとって難民問題で、最大の問題国家であったトルコが、今回は評価されるとは皮肉なことです。
それはそれとして、何時でも最大の被害者は弱い立場にある者・・難民たち・・ですが、最近欧州では中東、アフリカからの難民に対して厳しい立場をとる国が増えていて、例えばドイツは難民受け入れの模範国?でしたが、その様な寛大なメルケル首相の政策が大きな批判を受け、彼女の後のドイツの難民政策はかなり厳しくなると予測されています。
また現在環境問題を巡り国連のCOP26だったかが英国グラスゴーで開かれていますが、地球温暖化の一つの影響として、中東、アフリカでは一部既に旱魃が深刻化しており、今後環境難民の増加も危惧されています。
どうも出口の見えない問題のようですが、天災はともかく、中東アフリカからの難民の多くは、内戦や政情不安テロなどの人為的問題を解決していくことで、少しでも緩和していくように思われますが、これが最も難しいのかもしれません