新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を巡り、東京都は13日、病床使用率が20%に達した段階で政府への適用要請を検討すると明らかにした。変異株「オミクロン株」による感染拡大の勢いは止まらず、都はこの日、感染状況と医療提供体制の独自の警戒レベルを1段階ずつ引き上げた。
「都内の1日当たりの新規感染者が近いうちに1万人を超えることは、十分に起こりうる」。この日、開かれた都の新型コロナのモニタリング(監視)会議で、オンライン参加した賀来満夫・東北医科薬科大特任教授は危機感を口にした。
都によると、13日までの1週間の平均感染者は1503・4人で、前週(218・0人)の6・9倍となった。都は、政府が定める警戒度のレベルを「1」としているが、この日の会議で、独自に4段階で評価している感染状況と医療提供体制の警戒レベルを上げた。感染状況は上から2番目の「感染が拡大している」、医療提供体制は3番目の「体制強化の準備が必要な状況」に変わった。
都はコロナ病床を最大限用意できる6919床まで増やす方針だが、病床は確実に埋まってきている。病床使用率は1週間で倍以上に増え、13日時点では15・1%だ。救急搬送先が決まらなかった事例は、12日までの1週間の平均で147・3件と前週(66・4件)から2・2倍に。保健所から都に入院先の調整を依頼する件数も増えているという。
会議後、小池百合子知事は「社会を止めないため、重要な局面に立っている。感染拡大への備えをしっかり固めていく」と語った。