「ボーン、ボーン、ボーン」時を告げる時計の音が静かな居間に響く。やっと帰ってきた。新築祝いにとすでに鬼籍に入った亡夫の友人たちから贈られた、私の背より高い柱時計。昨年11月中頃、突然振り子が動かなくなった。40年近く鎖でおもりを巻き上げてやさしい音をつむいでくれたものが急になくなり、何だか忘れ物をしたような-。友人に紹介された時計屋さんが出張してきてくれたが、「これだけよく持ちましたね。今はすべてデジタル時代で古い振り子時計の修理は無理です。あと 全文
産経新聞 01月14日 05時00分
もっと詳しく