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『美しい彼』坪根悠仁が感じたキャラへの共感と「青春の時間」

MBSドラマ特区枠にて現在放送中のTVドラマ『美しい彼』。本屋大賞受賞作家・凪良ゆうの人気小説を原作に、幼い頃から周囲になじめない ”ぼっち” の高校生・平良一成(萩原利久)と、学校カーストの頂点 ”キング” として君臨する清居奏(八木勇征)の初恋を丹念に描く、むずがゆくも甘酸っぱい青春ドラマだ。

本作で気になる存在として描かれたのが、清居のグループの一員でありながら、密かに彼へのライバル心を燃やす同級生・城田。演じる坪根悠仁さんに、キャラクターや作品への想いについて伺った。

▲ドラマ『美しい彼』より、学校カーストのキング・清居に複雑な感情を抱く城田。

──原作を読まれて、どのような印象を持たれましたか。

坪根 最初に感じたのは、とにかく「美しさ」ですね。タイトル通りのストーリーと作品性だな、と。最初こそ平良の清居への思いは信仰に近いのかなと思ったんですが、大学生編になるとここまで人を愛する純粋さがあるのかと驚いて……「愛って素敵だな、男性女性とか関係ないな」と感じました。

──演じられた城田への印象は?

坪根 既にドラマを観ていただいる方はお分かりでしょうが、お調子者ですごく嫌なヤツです(苦笑)。でも中盤になると、城田なりにちゃんと考えていることがあったり、清居に対して「いつまでも、お前ばかりちやほやされてんじゃねーよ!」というイライラみたいなものを感じているところが見えてくるんですね。そういう部分が、観ている皆さんにも伝わればいいなと思っています。

──城田もまた清居と同じカーストトップに部類されるキャラクターですよね。

坪根 そうですね。清居という存在が現れなかったら、城田は今カーストのトップに君臨していて、キングのような扱いをされていたのかなと思います。それを城田自身も分かっているからこそ、最後に清居とぶつかり合うことになるんです。個人的には、そこが一番の注目ポイントかな。城田の感情って、すごく生々しくてリアルだと思うんです。

──坪根さん自身も、そういう城田の気持ちに共感できますか?

坪根 共感しちゃいますね。自分が城田に共感できるところって、やっぱりキングに負けたくないという思いなんです。自分も心の中でどこか「負けたくない」という負けず嫌いな気持ちを常に持っているので、清居に対する城田の感情はすごく分かる気がします。観ている方も、おそらくそうなんじゃないでしょうか。

(C)「美しい彼」製作委員会・MBS

――では、役作りはやりやすかった?

坪根 そうですね、ただ演じている時は、負けず嫌いの部分は芯に持っていても、それを表には出さないようにしました。

――言われてみれば、清居がオーディションを受けるまで城田はそういった面は見せていませんでした。

坪根 そうなんですよ。物語の過程の中で、徐々に見せていくように意識しました。むしろ監督からは「もっとお調子者でいい」とも言われまして、何て言うんですかね……「ウェーイ!」みたいな感じで(笑)。クラスをまとめるじゃないですけれど、「俺のおかげでクラスが盛り上がっているんだぜ!」という気持ちをもって挑みました。

──小山役の高野洸さんは「普段の坪根さんからは、城田を演じているところが想像できない」と仰っていました。

坪根 基本的に明るいほうだとは思いますが、確かに「ウェーイ!」ではないかな(笑)。仲間内で騒ぐ程度で、クラスを巻き込んだり自分一人の力で盛り上げるみたいなのはなかったです。陽キャは陽キャでも、自己肯定感の差がありますね。

――城田は自己肯定感が高い?

坪根 そうです。だから演じている時はそこを高めて、グイグイといくようにしました。

──演じられた中で印象に残っているシーンはありますか。

坪根 城田が清居にトマトジュースをぶっかけて自分の気持ちを伝える……伝えるというか、ぶつかり合うところですね。当初は僕だけが清居の胸ぐらを掴む予定だったんですが、八木さんもアドリブで掴み返してこられて、そこがすごく印象に残っています。八木さんが清居として僕に接してくれたことに、ジーンときちゃいました。

あと清居のグループメンバー、3人と一緒に現場近くの有名なラーメン屋さんに行ったんですよ。でも、人がいっぱい並んでいて、撮影時間に間に合わなそうだったので断念したという、ちょっと悲しかったエピソードがありました(笑)。

──高校生みたいな青春が感じられるエピソードですね(笑)。

坪根 そうですね(笑)、撮影中はみんな本当に高校生みたいな感じでした。帰りにキッチンカーのタコ焼きを買って食べたり、素敵な時間を過ごせましたね。

──最後に平良にとってのアヒル隊長のように、坪根さんの心の支えになっているものを教えてください。

坪根 物じゃなくてもいいですか? それは友達です。僕、何も考えずに「この仕事をやろう!」という勢いだけで地元から飛び出してきたので、友達があまり東京にいないんです。でも、地元の子たちとは今でも電話やオンラインゲームをしたりして繋がっていて、それが大きな支えになっていると感じています!

>>>坪根さん&小山和希役・高野洸さんのツーショット写真を見る(写真6点)

坪根悠仁(つぼね ゆうと)

3月16日生まれ。エイベックス・マネジメント所属。2018年、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにてフォトジェニック賞と明色美顔ボーイ賞受賞。主な出演作にNHK連続テレビ小説『エール』(寅田熊次郎)、TVドラマ『君と世界が終わる日に』(海野航)、『ヒミツのアイちゃん』(香住蘭治)ほか。

(C)「美しい彼」製作委員会・MBS