2021年秋に発表されたAppleの新製品。「iPhone 13」シリーズをはじめとしたさまざまなデバイスが発表されましたが、中でも注目だったのは新しい「iPad mini」です。
発売が開始され、Appleの公式サイトから購入できるようになった瞬間、筆者は注文を完了させていました。
そして発売日に手に入れてから今日まで、文字通り昼夜を問わず使い続けてきましたが……最高のタブレットだと実感しています。
ここではそんな「iPad mini 6」について、なぜ筆者がいまミニタブレットであるiPad mini 6を選んだのか。その理由についてお話ししたいと思います。
iPad mini 6で進化したポイント
筆者がiPad mini 6を購入した理由の前に、まずは iPad mini 6の注目するべきポイントについてお話しします。
前回の「iPad mini 5」が発売されたのが2019年5月。そこから2年以上の歳月を経て、どのような進化を遂げたのでしょうか。
▼ベゼルがなくなって、サイズは小さく、画面は大きくiPad mini 5に比べると、高さが7.8mmもコンパクトになりました。
一方でホームボタンが廃止され、表面全体がディスプレイへと変化。7.9インチから8.3インチへと広がりました。
筐体自体のサイズは小さくなったにも関わらず、ディスプレイサイズはむしろ大きくなったのです。
▼指紋認証は引き続き採用ホームボタンがなくなりましたが、認証方法は継続して「指紋認証」です。電源ボタンに指を置くだけで、ロックを解除できます。
iPhoneで採用されている顔認証(Face ID)は、マスクをしていると認証を解除できず、非常に不便でした。しかしiPad mini 6なら、そういった煩わしさがありませんね。
▼Lightningの廃止! Type-Cによる充電が可能にとうとうiPad mini 6では、Lightningケーブルが廃止され、一般的なUSB Type-Cが採用されました。
LightningケーブルはAppleの独自規格のため、その他のガジェットで併用ができず、非常に不便を感じていました。
充電をするときはもちろん、テレビなどへの外部モニタへの接続などにも、Appleの純正のアクセサリを別途買う必要があるなど、費用負担も大きかったですしね。
USB Type-Cなら、その他のガジェットで使用しているケーブルと併用して使用することが可能。もし断線・紛失しても、代わりのケーブルを手に入れやすいでしょう。
▼「Apple Pencil」第2世代に対応iPad mini 6では、Apple Pencilの第2世代に対応。iPadの側面に磁力でくっつき、それだけでペアリングも充電も完了できます。
今まではiPad miniとApple Pencilが独立した存在でしたが、今回からかなり密接に連携できるようになりました。移動中の電車内やカフェなどでも気軽に使えて、ノートとしての活躍が期待できますね。
▼A15 Bionicチップで処理速度が向上iPad mini 6では、最新のA15 Bionicチップに5コアのGPUが搭載。今まで以上に処理速度が早く、よりパワフルになりました。
日常的な利用では感じづらいかもしれませんが、「動画の編集」「高画質なゲーム」など、iPadに高度な処理を要求するような作業では、その違いを大きく感じられます。
なぜ今、iPad miniを選んだのか
さて、ここからは、筆者が iPad mini 6 を購入した理由についてお話しします。かれこれ2週間ほど使い込んできた使用感を含め、筆者の主観たっぷりでお伝えしますね。
▼iPad を使う機会が徐々に減ってきた今まで筆者は、ノーマルiPad を使ってきました。初代iPadに始まり、そこからいくつか世代をまたいで購入。最終的には第7世代を愛用していました。
iPad ProやAirよりも低コストで手に入れられる上に、画面が大きく、性能も申し分ない。Apple Pencilに対応してからは、ノートとしても活躍する場面が増えてきました。
そんな筆者は、画面が大きいことがイコールお得であるという認識でした。
「狭いよりは広いほうが良いに決まっている。iPad mini なんて中途半端な大きさを買うぐらいなら、iPad の大画面のほうが活躍する場面が多いだろう」と。
しかし、iPad を手に入れてから今まで、時間が経つにつれて徐々にiPadを触る時間が減っている自分に気が付きました。
特に顕著に現れたのがM1チップ版のMacBook Airを手に入れてからです。
非常に軽量でコンパクトなMacBook Airなので、「これならiPadじゃなくてMacでいいや。iPhoneで済ませちゃおう」というシーンが増えてしまったんですね。
iPadのいいところはディスプレイの大きいところですが、それが逆に煩わしく思うようになってしまいました。
▼iPadは小さなMac、iPad miniは大きなiPhone感覚的な話なのですが、iPadやiPad Proって、筆者の中では「小さなMac」って感じなんですよね。
なので、iPadを開いて何かの作業をするとなると、気持ちとして「位置について、よーい、ドンッ」という感じで、心の中でちょっとした“スイッチ”が必要なんです。
たったこれだけ。ほんのわずかな「スイッチ」なんですが、ときにはそんな些細な労力さえ面倒に感じるときってあるものです。
冬の朝、目がさめても布団の中が心地よすぎて、カーテンを開けるたったそれだけの事が、残業終わりのシャワーぐらい面倒に感じることって、あると思います。
そういう気持ちが、iPadの中に芽生えてしまったんです。一度芽生えてしまうと、それが根をはり、心の中に定着してしまう。iPad = 面倒なものという気持ちになってしまうのでした。
一方のiPad miniは、感覚としては「大きな iPhone」。
iPhoneを使うとき、「位置について、よーい」と準備する人は少ないでしょう。気持ちの抑揚に関係なく、「ドンッ!」と最初の一歩を踏み出せるはずです。
iPad miniは、これと似たような感覚です。使うことに対して、心のスイッチを押す必要が一切なく、生活の中に自然と溶け込んでくれる。そんなサイズなんです。
超“ド”いいサイズ
そう。サイズなんです。この“片手で持てる限界”ってサイズが、おそらく気持ちのスイッチを押さずに済むギリギリのところ。これ以上でも以下でもない「超“ド”いいサイズ」なんです。
特に今回のiPad miniはホームボタンがなくなり、表面すべてがディスプレイとなりました。これにより、サイズは小さいのに、画面を広く感じることができます。
「小さすぎない?」と思われるかもしれませんが、触ってみると、意外と十分なサイズ感であることに気がつけます。
筆者はWebディレクターとして仕事をしており、Webサイトの設計をします。サイトの下書きをノートアプリに手書きで書いたり、アイデアを発想したりしますが、iPad miniの画面サイズで不便を感じたことはありません。
むしろ「思いついたときに、すぐに書き始められる」「いつでも、どこでも、そばに置いておける」というメリットのほうを、強く感じています。
YouTubeやAmazonプライム・ビデオなどで動画を視聴するのは、たしかに迫力に欠けると感じるかもしれません。しかしそれはiPad miniに求めるべきポイントではありません。
むしろ、1人でこっそり観るには最高の環境。カフェに持ち出して、コーヒーを片手にのんびり映画を一本観るなんて、そんな贅沢な時間を過ごせるのは、iPad miniならではの特権ではないでしょうか。
あとがき
iPad miniがこれだけ身近に使えるなら、自分にとってスマホの役割もちょっと変わりそうだなと感じています。
筆者は2年に1回はiPhoneを買い替えているのですが、その費用は決して安くありません。iPad miniよりも高額です。
であれば、スマホは型落ちしても気にせず長く使い続けて、よりコストの低いiPad miniを最新で使い続けるほうが、生活の質は高く保てるのかもしれないなぁと思い始めています。それほど筆者の生活に根付いたiPad mini。買って本当に良かったと思えるガジェットでした。
(文:ばんか(インターネットサービスガイド))