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「EC・通販・D2C事業者の配送トラブル調査」(インクリメントP調べ)

 インクリメントP株式会社は、「EC事業の従事者を対象とした配送トラブルの実態調査」の結果を公表した。約7割が、住所の入力ミスによる誤配送や配送遅延を経験していたという。また、この住所の入力ミスの約6割が利用者に起因するものだとしている。

 「商品配送において、住所入力ミスによる誤配や遅配の経験」について「よくある」が27.3%、「たまにある」が36.5%、「過去に一度ある」が9.8%、「住所の入力ミスによる誤配や遅延はない」が23.6%、「わからない」が2.8%だった。計73.6%が入力ミスによる遅延や誤配送を経験しており、そのうち「よくある」と「たまにある」を合わせた63.8%が、定期的にトラブルが発生しているとみられる。

 調査は8月3日~5日、インターネットを用いて実施。有効回答数は、事前調査が1万5403件、本調査が330件。

「送品配送において、住所入力ミスによる誤配や遅配の経験」

住所入力ミスの確認方法や誤配・遅配の防止策は、目視など人による作業が多数

 住所入力ミスによる配送トラブルを経験した回答者における「住所入力ミスの確認方法」は、「人為的な確認作業(人が介在する確認作業)」が60.0%、「目視チェック」が58.8%、「手作業による確認ツールを導入している」が37.5%、「自動化された確認ツールを導入している」が29.2%、「特に何もしていない」が2.1%、「わからない」が0.8%だった。

住所入力ミスによる配送トラブルを経験した回答者における「住所入力ミスの確認方法」

 住所入力ミスによる誤配や遅配がないとした回答者における「住所の入力ミスによる誤配や遅配の防止策」は、「目視チェック」が57.1%、「人為的な確認作業(人が介在する確認作業)」が24.7%、「手作業による確認ツールを導入している」が3.9%、「自動化された確認ツールを導入している」が7.8%、「特に何もしていない」が24.7%、「わからない」が3.9%だった。

住所入力ミスによる誤配や遅配がないとした回答者における「住所の入力ミスによる誤配や遅配の防止策」

 誤配や遅配の有無にかかわらず、目視など人間に頼った確認が多いことが分かる。

住所入力ミスの原因は、利用者の住所登録時の間違い・表記揺れ、自社の処理ミスが上位に

 このような住所の入力ミスの発生源はどこだろうか。「住所の入力ミスが発生する原因」としては、「ユーザーの住所登録時による入力間違い」が59.6%、「ユーザーの住所登録時の表記揺れ」が51.2%、「自社の住所確認/注文処理時のミス」が47.9%、「発送作業の住所入力/出力ミス」が31.7%、「システムに登録された住所情報が古い」が26.2%、「その他」が1.2%、「わからない」が0.8%だった。

「住所の入力ミスが発生する原因」

住所入力ミスへの対応コストが、経営を圧迫している事業者も

 これら「住所の入力ミスによる事業への影響」は、「再送などによる配送コスト増加」が55.8%、「カスタマーサポートの問い合わせ対応増加」が53.3%、「社員の残業増加、人件費増などの内部コスト増加」が51.7%、「店舗へのマイナスなレビューや評価の増加」が35.4%、「Web広告/チラシ広告など広告施策の効率低下」が23.8%、「ハガキの不達やメール施策の効率低下」が17.5%などとなっている。

「住所の入力ミスによる事業への影響」

 このように、住所の入力ミスに対応する労力は大きく、コストがかかっている。「住所の入力ミスによるコストへの影響」としては、「経営を圧迫している」が17.0%、「負担が大きいためコスト見直しの優先順位が高い」が38.4%、「何か有効的な対策を考えたいが優先順位は低い」が29.3%、「負担はあるが気にならない」が8.7%、「特にインパクトはない」が5.2%、「わからない」が1.3%となっている。

 住所の入力ミスによるコストの負担が大きく、見直しを最優先で行っている事業者が4割近くいるものの、優先順位が低い事業者も3割程度いる。

「住所の入力ミスによるコストへの影響」