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 北海道苫小牧市で8日まで開催されていた「第16回全国高校選抜アイスホッケー大会」で、道内外の生徒ら90人の感染が13日までに判明し、大規模クラスター(感染者集団)となっている。国は緊急事態宣言地域と往来する際のPCR検査を求めているが、大会では実施していなかった。関係者を含めると参加者は全国26チームの約1000人に上り、各地でさらに感染が拡大する可能性がある。

ワクチン2回接種したのに感染 それでも感じた効果とは

 大会は日本アイスホッケー連盟と苫小牧市が主催し、同市内3会場で4〜8日に開催。北海道10校のほか、14都府県の16校・チームが参加した。13日までに生徒78人、教職員・コーチ8人、その他関係者4人の感染が判明した。大会関係者によると、道外の高校では全選手30人の陽性が確認された事例もあるという。

 埼玉栄(さいたま市)はチーム内で発熱症状のある人が確認されたため、7日の準決勝、8日の3位決定戦を棄権した。ただ、主催者は新型コロナとの関係を明らかにしていない。

 白樺学園(北海道芽室町)は、部員ら26人が感染した経緯などをホームページで公表している。それによると、3日の現地入り後の検温で異常はなかったが、道外の参加校で感染者が判明したことから苫小牧保健所が10日に全チームにPCR検査を指示し、部員らの感染が確認されたという。

 国は緊急事態宣言下にある自治体から移動する場合、出発前か到着後にPCR検査をするよう求めている。4日の開幕時点で東京都、埼玉県、大阪府などに宣言が出ていた。しかし、大会の開催要項などにPCR検査の要請は明記しておらず、苫小牧市の担当者は毎日新聞の取材に「インターハイ(全国高校総体)の開催方針に準じた」と説明した。

 影響は同市の業務にも及ぶ。8日の閉会式に出席した岩倉博文市長は13日に濃厚接触者と判定され、22日までの公務は副市長が対応することとなった。大会運営には市職員約70人が参加していたことから、市は一部の窓口業務を20日まで休止する。【土谷純一、平山公崇】