もまいら、もちつけ。
- 高市早苗「女性天皇に反対しない」文藝春秋インタビューで
- 文藝春秋創刊100周年記念新年特別号での石井妙子インタビュー
- 「男系男子の継承が望ましい」は維持しつつ女性が天皇になる厳しさを伝える
- 共同通信による「女性天皇に反対していないと強調した」報道の違和感
- 石井妙子「女性天皇は国民待望・雅子さまは男子を産まずに責められた⇒高市「事実はあるのでしょうか?」
- 高市早苗「男系の女性天皇も男系の男子に皇位を譲られた」という発言等の問題について
高市早苗「女性天皇に反対しない」文藝春秋インタビューで
高市早苗は“皇位継承”をどう考える?「女性天皇には反対しない。女系天皇に反対しています」 | 文春オンライン
「私は女性天皇に反対しているわけではありません。女系天皇に反対しています。女性天皇は過去にも推古天皇をはじめ八方(人)いらっしゃいましたが、すべて男系の女性天皇(天皇が父)です。在位中にはご結婚もなさらず、次の男系男子に皇位を譲られた歴史があります。男系による皇位の継承は、大変な工夫と努力を重ねて連綿と続けられてきたものであり、その歴史と伝統に日本人は畏敬の念を抱いてきました」
高市早苗議員が「女性天皇に反対しない」と文藝春秋インタビューでしたとして界隈が騒いでいたので内容を確認しました。
文藝春秋創刊100周年記念新年特別号での石井妙子インタビュー
高市議員の発言は文藝春秋2022年1月号の384頁~391頁における石井妙子氏によるインタビューにて収録されています。
この中で「女性天皇に反対する立場ではない」という発言が3度出て来ているために見出しに持ってきたということなのでしょうが、内容や趣旨については言論テレビで話されている通りです。
「男系男子の継承が望ましい」は維持しつつ女性が天皇になる厳しさを伝える
文藝春秋のインタビューでも「男系男子の継承が望ましい」というスタンスは維持しつつ、歴史上、【男系の】女性天皇が8方存在していたことから女性天皇は否定しないという内容。
記事の内容を見る限り、「現在においても」否定しない趣旨かと言われれば、「そうである」としか言えない内容でした。
ただし、歴史上も在位中は結婚しなかったことや、自身の閣僚としての経験(女性の体力では厳しいと感じた体験)を踏まえつつ、皇室の重圧は想像の域を超えており、女性が担うには厳しいものがあるのではないか、という趣旨の発言も収録されていました。
私は、高市議員のこのスタンスを問題視しません。
彼女の狙いがどこにあるのかは定かではありません。
ただし、女性であり、女性天皇を否定しない立場の高市氏が、天皇の宮務等の苛烈さから女性が天皇になる事の厳しさを不安視する、という姿勢を見せることは、意義がある態度だと思います。
実際、高市氏は自民党総裁選でも男系男子の皇位継承を主張してきました。
私は何度も女系天皇容認・女系継承容認論者に対して「間違いだ」と言ってきたが、それはそのロジックや前提知識に対してであり、女系天皇・女系継承という「結論」に対してではない。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2020年9月12日
なお、私自身も「女系天皇」について、このスタンス。
より明確化すると、「女系天皇」(父親が皇統に属さない天皇)が間違いかどうかなんて一度も例が無いのだから分からないので言うべきではない。しかし、不可逆的なものであるから、間違いであった場合には取り返しがつかない。よって、「女系天皇」とならないように最善を尽くすべき=男系男子による皇位継承を維持、というのが私の立場です。
皇室の状況、あまりにも危機感が無い保守派が多い。
仮に旧皇族の皇籍復帰をするにしても、数十年後の皇族の数は現在より少なくなるかも知れない。
悠仁親王殿下の相談相手も居ない、補佐する者も居ない、という状況になるおそれもあるし、皇室会議の成員すら危ぶまれる。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2021年12月14日
共同通信による「女性天皇に反対していないと強調した」報道の違和感
高市氏「女性天皇には反対せず」 歴代8人存在、「女系に反対」2021/12/10 17:14 (JST)12/10 22:59 (JST)updated
自民党の高市早苗政調会長は月刊誌「文芸春秋」新年特別号のインタビューで、女性天皇を容認する考えを示した。歴史上、推古天皇ら8人の女性天皇がいたとし「女性天皇には反対していない。女系天皇に反対している」と強調した。
女性天皇は名称通りに女性の天皇のことを指す。一方、女系天皇は母方の血筋のみがつながる天皇のことを意味し、126代続くとされる歴代天皇の中で一人もいない。
仮に現状に当てはめた場合、天皇陛下の長女愛子さまが即位して女性天皇になることは容認するが、一般男性と結婚して生まれた子どもの即位は女系天皇になるため認めないとの立場だ。
(女性天皇に反対していないと)「強調した」とあるのは都合3度、そのような表現があったことを捉えてそのように言っているのでしょうが、やや煽動的。
外信社が伝えるような内容であるとも思えず、これを記事化した事自体が疑問。
石井妙子「女性天皇は国民待望・雅子さまは男子を産まずに責められた⇒高市「事実はあるのでしょうか?」
文藝春秋の記事中、石井妙子氏のスタンスは女性天皇・女系天皇を容認したいのだろうなということがひしひしと伝わってくる言葉遣いでした。
質問の中身もたとえば「国民のあいだでは女性に天皇になって欲しいという「待望論」が強まっているように感じますが。」としてNHKの2019年9月の調査で女性天皇が74%賛成という結果を伝えていますが、そもそも女系天皇や女性天皇についての情報が不足している中での国民の意見を絶対視する態度自体がおかしい。
また、石井氏は「雅子さまは男子をお産みにならなかったことで責められた部分もあった」という認識を示しましたが、高市議員は「国民の皆様は雅子様を責めたでしょうか?男のお子さまを産まなかったからという理由で国民の皆様が雅子様を責めたという事実はなかったと思います。」と指摘しています。
私も同意です。ゲスイ週刊誌がいろいろ書いてただけじゃないですか。
メディア側による加害行為を「日本国民による加害行為」に転化させる事例、つい最近もありましたよね。
高市早苗「男系の女性天皇も男系の男子に皇位を譲られた」という発言等の問題について
なお、文藝春秋の記事中や言論テレビにおいて、高市議員が「男系の女性天皇も男系の男子に皇位を譲られた」と発言していることについて補足。
歴史上、元明天皇から元正天皇への「母から娘への皇位継承」(ただし、いずれも男系の女性天皇)という事例はあるため、その意味で高市氏の発言は不用意だと言えるかもしれないが、皇位継承を広く視た際には、元正天皇以降は男系男子へと継承されているのもまた事実です。
そのような趣旨で発言しているのであれば間違いとは言い切れない、ということになります。
他、高市議員は側室について価値観の変化や法律を持ち出して現在では許されない、という旨を発言していましたが、そこを石井氏に「価値観の変化ということなら女系天皇も良いということになるのではないか?」と突っ込まれていました。
ここは「国民の」価値観というより「皇室の意向・方針」と言ったり、乳幼児死亡率の低い現代では側室は不要であり、側室(公妾)の子が皇位継承権を有さない欧州で男系継承が1000年近くもの長い期間続いたカペー朝の存在などを指摘すれば完ぺきだったと思います。
参照として以下記事を置いておきます。
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