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タレント・ラジオDJとして活躍中の高樹リサさんはNetflix『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の大ファン。2016年から放送開始されたSFアドベンチャー『ストレンジャー・シングス』はNetflixの有名シリーズの一つで、2021年現在シーズン3まで放送中、2022年夏にシーズン4が予定されています。1980年代を舞台にしたこの作品は全世界で社会現象に。
『ストレンジャー・シングス』の魅力と合わせ、映画・海外ドラマ好きの高樹さんのNetflixプレイリストも教えていただきました。

プロフィール:高樹リサ

ライター:平田提

80年代が舞台の『ストレンジャー・シングス』。映画好きにはたまらないオマージュの嵐

――高樹さんはNetflixの『ストレンジャー・シングス』がお好きなんですよね。

高樹リサ

そうなんです。私は2016年ぐらいからNetflixに登録して、それで何となく『ストレンジャー・シングス』を観始めたら止まらなくなって……当時のシーズン1をつい一気観。周りに「とにかく面白いから観て!」と広めまくりました。Netflixを今の人気に押し上げるのに貢献した作品の一つなんじゃないでしょうか。

――魅力はどんなところにあるんでしょう?

一言でいうと「SFアドベンチャー」なんですけど、ジャンルに収まりきらない見どころがたくさんあります。

▲左からマイク(フィン・ヴォルフハルト)、ジョナサン(チャーリー・ヒートン)、その弟のウィル(ノア・シュナップ)。

『ストレンジャー・シングス』は1980年代のアメリカのホーキンスという田舎町が舞台です。オタクっ気のある少年たちが、不思議な力を持つ少女と出会い、街に起こる不思議なできごとに立ち向かっていく……というストーリー。
いろんな70年代、80年代の映画のオマージュがたくさんなされているので、映画好きにはたまらないんですよね。

自転車で移動

例えば主人公の男の子たちが自転車ばかりで移動するのは『E.T』だし、子供だけで大きな冒険をするのは『グーニーズ』。

ダスティンとスティーブが歩くシーン
▲『スタンド・バイ・ミー』を思わせる、ダスティンとスティーブが歩くシーン。

『バイオハザード』など日本のアニメやゲームを参考に作られている部分もあって、好奇心がくすぐられるんです。

イレブンとマックス
▲左:イレブン(別称エル) 右:マックス 
マックス(セイディー・シンク)はシーズン2から登場し、シーズン3では二人が仲良くなるエピソードが描かれる

ショッピングモールが立ち始めたとか、当時の時代の変化が物語にも反映されているのも面白いです。

成長していく子役の魅力

――好きなキャラクターは?

挙げていったらキリがないんですけど、でも一番はやっぱりスティーブでしょうか。

スティーブ
▲中心にいるのがスティーブ(ジョー・キーリー)。シーズン1では学校の人気者キャラだが……。

シーズン1では学校の人気者でダサいことしたくないって感じで。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でいうと、いじめっ子の「ビフ」みたいなスタートなのに、エピソードが進むにつれだんだんいいヤツになっていく。

ダスティンとスティーブ
▲ダスティン(左)とスティーブ(右)

特に主人公の一人ダスティンとの関わりが好きです。恋愛相談に乗ったり、自分が使ってるシャンプーを薦めたり(笑)。

――主人公の4人の男の子たちはみんな良いキャラ立ちをしていますよね。

主人公の4人
▲左からウィル、マイク、ダスティン(ゲイテン・マタラッツォ)、ルーカス(ケイレブ・マクラフリン)

本当にそうですね。マイクはしっかりもので、ルーカスは良い意味で冷静で、ウィルは守りたくなる感じで、ダスティンはチャーミングっていう言葉がぴったりな子で。
シーズン3でダスティンがある曲を歌うシーンがあるんですけど、めちゃめちゃ歌がうまいし、とてもかわいいんです。

――子役が実際に成長していく様子が見られるのも『ストレンジャー・シングス』の面白さですよね。

そうですね。ドラマのスタートから5年以上経っているから、男の子たちは背が大きくなり、声変わりしている。「イレブン」役のミリー・ボビー・ブラウンはより女性らしくかわいくなってきていて。

イレブン役のミリー・ボビー・ブラウン。

イレブンは最初言葉を発さず、目で訴えかけるような女の子。それがマイクやホッパーたちとの出会いで、だんだん言葉で自分の気持を伝えられるようになっていく。その描き方が丁寧です。

ミリー・ボビー・ブラウン
▲イレブン(エル)役のミリー・ボビー・ブラウン。メイキングの1コマ

ミリー・ボビー・ブラウンのインタビューを見ると、よくしゃべるんです。私の数倍早口(笑)。イレブン役以外の彼女も見たくなる、魅力的な俳優ですよね。

『ストレンジャー・シングス』は映画好き以外にもおすすめ

高樹リサさん

――ラジオDJの高樹さんとして『ストレンジャー・シングス』と音楽の関わりはどうですか?

70・80年代の音楽が印象的な使われ方をしていますよね。
例えばウィルと兄のジョナサンはふだんから音楽が会話のきっかけになっていて、シーズン1ではザ・クラッシュの『Should I Stay or Should I Go?』がとても重要な意味を持っています。

カセットテープなど80年代のカルチャーに魅力を感じている人は、曲と合わせて『ストレンジャー・シングス』を存分に楽しめるんじゃないでしょうか。

――先程言われていた映画のオマージュも大量にありますよね。

ウィルの母・ジョイス
▲ウィルの母・ジョイスを演じるウィノナ・ライダー。『ビートルジュース』『シザーハンズ』など80~90年代ティム・バートン監督作品で有名に。

80・90年代の映画好きな方ならウィノナ・ライダーはご存知だと思いますけど、彼女が『ストレンジャー・シングス』ではお母さん役なんですよ。ウィノナ・ライダー演じるジョイスは息子のウィルが行方不明になってややヒステリックに探し回りますが、それ自体ある映画のオマージュ。

ショーン・アスティン
▲右から2番目がショーン・アスティン。『ロード・オブ・ザ・リング』では主人公フロドの従者サムを演じる。

シーズン2に登場するボブは、映画『グーニーズ』で主人公マイキーを演じていたショーン・アスティン。彼はもう親世代になって探検する子供たちを支える側になっている。「それ宝の地図?」ってボブが子供たちに語りかけるシーンは『グーニーズ』ファンには鳥肌モノじゃないでしょうか。

――一番好きなシーンは?

ジム・ホッパー警部
▲左がジム・ホッパー警部(デヴィッド・ハーバー)。ある経緯でイレブンを引き取り育てる。

そうですね……イレブンを引き取ることになるホッパー警部はどんどん本当のお父さんのように、娘とどう接していいか悩んでいくんですよね。「お願いだからドアを7cm開けておいてくれ」っていう彼のセリフは、意味が分かってくるととにかく泣けるんです。

――『ストレンジャー・シングス』をどんな方に観てもらいたいですか?

きっと映画好きな方の多くはもうたどり着いている気がします。だからふだんは映画にあまり興味がない人にこそ観てほしいですね。『ストレンジャー・シングス』は友情や家族愛のドラマでもあります。私は下にきょうだいがいて、感情移入して観ています。

あとはちょっとオタクっぽい趣味を持っている人。

主人公の4人

ダスティンは「試合なら僕らはベンチ組だ」って言うんです。『ストレンジャー・シングス』はベンチ組が活躍するドラマなんですよね。
彼らはボードゲーム(『ダンジョンズ&ドラゴンズ』)で遊んでいて、大事件にもゲーム感覚で立ち向かっていく部分がある。

そんな主人公たちに自分を重ねて観ると面白いかもしれません。
とにかくシーズン4が楽しみすぎます! いまシーズン1から一気観できる人がうらやましいです。

高樹リサのNetflixマイリスト

――高樹さんのNetflixのマイリストを教えてください。

  • 『リバーデイル』
  • 『13の理由』
  • 『好きだった君へのラブレター』
  • 『キスから始まるものがたり』
  • 『セックス・エデュケーション』
  • 『アンブレラ・アカデミー』

『リバーデイル』『13の理由』はシリアスな題材ですが、面白いドラマ。『セックス・エデュケーション』『アンブレラ・アカデミー』も良かったですし、ちょっと照れるタイトルですが『好きだった君へのラブレター』『キスから始まるものがたり』も。

観ようとしてマイリストに入れているのは『ボクらをつくった映画たち』。あと『glee/グリー』のライアン・マーフィーが監督している『ハリウッド』も楽しみです。
私は吸血鬼モノが好きなんですけど、『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のイアン・サマーホルダーが出ている『V Wars』はお楽しみにとっている作品の一つです。