夏の減退しがちな食欲を刺激してくれる頼もしい食材、にんにく。とはいえ独特の香りが強いため、思う存分食べると「臭っていないかな?」と口臭が気になってしまう悩ましい食材でもあります。でも最近は、家で過ごす時間が増え、仕事も在宅でこなすようになったことで、そんな“臭い”も気にせず、スタミナたっぷりのにんにく料理を堪能できるはず!
ブルーボトルコーヒーやRIZAPのレシピ監修も行っている料理家の副島モウさんに、4品のにんにく料理を考えていただきました。前編では、にんにくの基本的な扱い方と、スープや常備菜といったビギナー向けのレシピを紹介しましたが、この後編ではちょっと本格的なレシピを教えていただきます。
【前編】
1. バゲットをコトコト煮込んだスペインのスープ「ソパデアホ」
2. にんにくが効いた冷たい常備菜「いんげんのにんにくサラダ」【後編】
3. ふんわりパンケーキのようなオムレツ「にんにくとズッキーニのフリッタータ」
4. 大葉の爽やかさとにんにくの香りが食欲をそそる「ごまにんにくそうめん」
にんにく“巣ごもり”レシピ [応用編]
続いて紹介するのは、ちょっと手間はかかるけれど作ってみたいイタリア風オムレツ「フリッタータ」。そして、夏の風物詩から通年食材へと印象が変わりつつある人気のそうめんを使ったアレンジレシピです。
ふんわりパンケーキのようなオムレツに!「にんにくとズッキーニのフリッタータ」
削ったズッキーニがふわっと軽いフリッタータは、チーズとにんにくの風味がおいしい一品です。お好みですが、ライムを絞ると味が締まって酸味とチーズの甘みのバランスがよく、イタリアンらしい味になります。
「ズッキーニはチーズグレーダーを使って細かくしていますが、細めの千切りでも構いません。すり下ろしてしまうと、食感が残りづらく水分が出てしまうので気をつけましょう。また、水分が出てきてしまうので、生地を作ったらすぐ焼いてください」(料理家・副島モウさん、以下同)
【材料(2人分・4~5枚分)】
ズッキーニ……1本
にんにく(みじん切り)……1片
全粒粉(薄力粉でも可)……大さじ2
ピザ用チーズ……大さじ2
たまご……1個
塩……小さじ1/2
オリーブオイル……大さじ2
ライム(飾り用)……適宜
【作り方】
1. ズッキーニをグレーダーで削る
「ズッキーニをチーズグレーダーで削ると、ふわっと柔らかい食感のフリッタータができます。千切りにするときも、なるべく細く刻んでみてください」
2. ボウルにズッキーニとにんにくを入れ、全粒粉とチーズ、たまご、塩を入れてよく混ぜる
「薄力粉より全粒粉の方がサラサラしているのでダマになりにくく、軽やかな食感に仕上がります。ない場合は、薄力粉でももちろん大丈夫です」
3. フライパンにオリーブオイルをひき、生地を流し入れて弱火で焼く
「パンケーキの要領で生地を焼いていきましょう。水分が飛びすぎないよう、必ず蓋をして焼いてください。ズッキーニの水分量によって、生地が柔らかすぎると感じたら、全粒粉を少し足して調節します」
4. 焼き色がついたらひっくり返す
「きれいな焼き色がついたらひっくり返し、ふたたび蓋をして片側も焼きます。弱火でゆっくり焼くことで、しっとりふんわりした食感のフリッタータになりますよ」
完成
朝ごはんにもおすすめのフリッタータにはズッキーニがたっぷり入っているので、満足感のわりにとてもヘルシー。お弁当のおかずとしても活躍するレシピです。こんがり焼けた外側と、ふわふわでもちっとした食感の中側の生地の違いも楽しめます。きゅっと絞ったライムが夏には欠かせません。
4品目は、大葉の爽やかさとにんにくの香りが食欲をそそる「ごまにんにく素麺(そうめん)」です。
提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」
大葉の爽やかさとにんにくの香りが食欲をそそる「ごまにんにく素麺」
さっぱりした中にフレッシュなにんにくの香りと強さを感じるそうめんは、しっかり食べたいときにぴったり。ねばねばしたオクラとつるつるの麺で、食欲がない日にもおすすめしたいレシピです。
「山形のだしに似た感じでいただけるそうめんです。薬味だけ混ぜて保存しておけば、そうめんを茹でるだけで済みますし、ごはんにかけてもさっぱりしていておいしいですよ。生食するので、にんにくは香りがまろやかな国産がおすすめです」
【材料(2人前)】
オクラ……8本
塩……適量
にんにく……1個
大葉……5枚
万能ねぎ……1本
麺つゆ……大さじ2
ごま油……大さじ1
そうめん……2束
【作り方】
1. オクラはヘタを取って板ずりする
「オクラに塩を振ってまな板の上でころころと軽く転がします。表面の生毛が取れ、色よく仕上がります」
2. にんにく、オクラ、大葉、ネギをみじん切りにして麺つゆと合わせる
「全部をチョッパーに入れて細かくしてしまうと楽ですよ。お持ちでない場合は包丁で切りましょう」
3. 最後にごま油を加えて混ぜる
「ごま油を加えたらさっと和えておきましょう。温かいそうめんにかけていただくので、このまま常温に置いておきます」
4. そうめんを茹でたら、温かいまま絡める
「素麺を洗わずに和えることで、つゆを麺がしっかり吸ってくれ、味馴染みがよくなります。しかり絡めてから盛りつけましょう」
完成
加熱していないにんにくの香りが効いた一品になりました。大葉や麺つゆの爽やかな味の中で、にんにくがしっかりとした食べ応えを感じさせてくれます。スタミナをつけたいけれど夏バテして食欲がわかない……というときにもおすすめですよ。
【前編】
1. バゲットをコトコト煮込んだスペインのスープ「ソパデアホ」
2. にんにくが効いた冷たい常備菜「いんげんのにんにくサラダ」
【プロフィール】
料理家 / 副島モウ
エコール辻フランス・イタリア料理カレッジに入学したのち、渡仏。TOULOUSE Les Jardin de l’ Opera にて修行し、帰国後はGRAND HYATT TOKYO、BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYOを経て、料理研究家パトリスジュリアン師に師事。独立してレシピ開発や企業コンサルティング、雑誌、TVフードコーディネーション、調理学校講師などに携わり、L’atelier nuageという料理教室もひらいている。「RENDEZ-VOUS DES AMIS(鎌倉小町)」や「月見つくねを鎌倉で」のオーナーシェフとしても活動。
https://www.mousoejima.com/